「妊娠後期で緊急入院!無理せず、早めに備えよう!」では、妊娠中の経過と、入院から出産までの体験を書かせて頂きました。
―妊娠33週目。常位胎盤早期剥離で出血、切迫早産で緊急入院―
24時間ベッドの上で、点滴の副作用や痛み、むずむず脚症候群に苦しんだ4週間。
そのまま家に帰ることなく、37週目での予定帝王切開へ。
今回は、その後について。喘息と硬膜外麻酔・鎮痛剤の事など、書いていきたいと思います。
喘息患者は硬膜外麻酔が使えない?
辛い入院生活に追い打ちをかけたのが、「喘息の為、硬膜外麻酔が使えない」と先生に言われてしまったことでした。
以前、知人が帝王切開で出産して2日後ぐらいにお見舞いに行った際、「痛いけど、硬膜外麻酔が入っているからなんとか大丈夫」と言っていたので、術後の痛みを和らげてくれる硬膜外麻酔が使えない事はショックでした。
お腹を切り開き、3キロ程もある赤ちゃんを取り出して、翌日からの授乳や歩行、翌々日からは母子同室での赤ちゃんのお世話など、本当にできるのだろうか…。
とても不安で、喘息と硬膜外麻酔、帝王切開の麻酔についてインターネットで調べた結果…
・以前は、硬膜外麻酔で発作を誘発する恐れがあり喘息患者には禁忌、とされていた。
・一方で、積極的に鎮痛をすることで発作が抑えられる、との見方もある。
・現在は喘息患者にも禁忌ではなく、慎重な判断と十分な管理をした上で、使用されている。
・予定帝王切開で麻酔科医が麻酔を行う場合は、腰椎麻酔+硬膜外麻酔で行われることが多く、産婦人科医が麻酔を行う場合は、脊髄くも膜下麻酔(腰椎麻酔または脊椎麻酔)のみだけの場合も多い。(緊急の場合やその他事情により全身麻酔の場合も)
という事で、病院や医師の判断、患者の状態により、帝王切開時の麻酔法も様々でした。
そこで、「発作もなく吸入薬だけで喘息も安定していますが、硬膜外麻酔は使えないのですか?」と、先生にダメもとで尋ねてみました。
手術数日前。検討の結果、硬膜外麻酔も併用する事になりましたが、使用は最低限にして翌朝には外す、という方針が決定。
手術は怖いけれど、可愛い赤ちゃんにもうすぐ会える!あともう少し頑張ったら家に帰れる!それだけが希望でした。
術後の鎮痛剤の内服は?
術後、鎮痛剤を飲んでも、授乳はできます。
痛みで授乳や歩行ができないより、お薬である程度痛みを取り、授乳や歩行を行うことの方が大事だそうです。しかし、ここでも喘息であることで制約がありました。
・喘息患者の約5~10%がアスピリン喘息だと言われていて、「ロキソニン」等に含まれるNSAIDsで発作が起こる可能性がある。
・喘息患者には効き目の強い「ロキソニン」ではなく、効き目も穏やかだがより安全性が高いとされている、アセトアミノフェンの「カロナール」を、低めの用量で投与することが多い。
その為、私は術後、「カロナール」を処方されていました。
私の場合は効き目が弱く、それでも藁にも縋る思いで、次のお薬の時間を指折り数えて、数日間を過ごしました。
妊娠中も、病状の管理をして出産に臨むことが重要!
・妊娠中も喘息の吸入薬はきちんと継続し、病状をコントロールしておくことが大事。
・軽い喘息でも、万が一発作が起きれば自分の命に関わる場合もある。
・発作が起きて酸素濃度が低下すると胎児にも悪影響。胎児の発育や命にも関わる危険があり、薬を使わない事によるリスクがとても高い。
・吸入ステロイド薬は、局所的な作用で全身への影響はほとんどなく、妊娠中でも安全性が高い。
・普通分娩でも帝王切開でも、出産時は発作のリスクが高まる。病状のコントロールや産院選びなど、万全の準備を。
お薬について、妊娠中は特に心配になりますが、かかりつけの耳鼻咽喉科の先生や産科の先生とよく相談しながら、妊娠中も吸入のお薬を継続し、喘息症状が良好な状態で出産に臨めました。
思いがけず帝王切開になってしまい、麻酔や鎮痛剤の制約も多くて大変でしたが、喘息の私でも無事に元気な赤ちゃんを産む事ができました。
妊娠中や出産時の不安や疑問。お医者さんに遠慮なく伝えて相談しながら、より良いお産ができますように。
いなみ♥
滋賀県
滋賀県在住、33歳。元気いっぱい3歳男子と、ほぼ二人暮らし。 年齢の割に昭和感満載の、民謡歌手&シンガーソングライター主婦です。 出産後も音楽活動を続けながら、初めての育児に奮闘中! 妊娠・出産・子育ては、思い描いていたよりずっと大変で、毎日がわんぱく怪獣との闘いですが、一緒にたくさん遊んで、モリモリ食べて、そして歌って、楽しく過ごしたいです! のんびり、ゆったり、子育て世代のお母さん、お父さんに、エールを送ります!