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発達障がい女児の苦難|女性ゆえの生きづらさ④

くまさんくまさん


発達障がい女児の苦難|女性ゆえの生きづらさ③
の続きです。

これまでの記事では、発達障がいの女の子が生きづらさを感じる場面や、性被害に晒される危険性についてお話しました。

最後となる今回は、発達障がいの女の子が社会に出て直面する一番大きな問題、「結婚」についてお話します。

ダメ人間の烙印を押されやすい結婚生活

前回の記事で、発達障がいの女の子は男性と間違った関係を築きやすいとお話しましたが、それでも結婚まで至るケースはあります。

しかし、この結婚生活という日々は
・空気を読み取る力の無さ
・言語化されないコミュニケーションが苦手
・ケアレスミスが多い(短期記憶能力が低い)
という特徴をもつ発達障がいの女の子にとって、非常に困難なものです。

片付けの難しさ

まず、片付けや整理整頓が上手くできないため、部屋の掃除が出来ないことが多いです。
そのため次第に部屋の中がごちゃごちゃしていき、足の踏み場がなくなってしまうこともあります。

そんな状態になればもちろん、夫から「何でこんなに汚いんだ」「少しは掃除しろ」と怒られてしまうことでしょう。

そこで何とか掃除をしようとするものの、何から手をつけていいか分からなかったりやっている最中に違う物が目についたりして、やっていたことを忘れてしまったりします。

その結果、いつまでも片付かないまたは、逆にもっと汚れてしまうこともあるのです。

家事は困難の連続

掃除だけでなく洗濯も難しいものです。
洗濯をするには
①洗濯機を回す
②洗濯物を干す
③洗濯物を取り込む
④洗濯物をたたむ
⑤洋服をしまう
 この5つの作業が必要です。

ただし、短期記憶能力が低いとこの中のどれかの作業を忘れてしまったり、洗濯すること自体を忘れてしまったりします。

そうなれば洗濯物が溜まっていき、必要なときに着られる服がないということで夫から責められてしまうでしょう。

また、自分自身も着る服がなくなり、いつも同じ服を着ることになります。

これと同じような感じで食器などの洗い物を溜めてしまう、火や電気を消し忘れる、鍵を閉め忘れる、支払いを忘れるなど出来ないことが積み重なっていきます。

そんなことが続いたら夫に叱られる日々を、過ごすことになりますよね。
夫婦仲が険悪になるだけでなく、本人が「自分はダメな人間なんだ」と落ち込み、鬱になるケースもあります。

女性に求める役割の多さが発達障がい女性を苦しめる

日本では、女性に求める役割が多くあります。
男性は仕事だけしていても何も言われませんが、女性は家事や育児に近所付き合い、親戚や義理の両親との付き合いなどさまざまなことをしなければなりません。

自分のことさえままならないのに、子どもの持ち物や行事のことまで覚えるとなると、本人はかなり困難を感じることでしょう。

周囲だけでなく本人の理解が重要

よく発達障がいは、周りの人の理解が必要と言いますが、私はそれだけでは不十分だと感じています。

もちろん周囲の理解は、必要不可欠なものです。
しかし、本人が自分の特性を理解しないことには、いつまでも苦しみから解放されることはありません。

小さい頃はまだまだ他人事で、何なら発達障がいを免罪符にしているようなところもあります。(私の娘の場合です)

娘は以前、学校の先生に対して
「発達障がいだから仕方ない」
「発達障がいだから怒らないで」
と言っていたことがありました。

そのとき私は、娘に「そんな考え方ではいけないよ」と話して聞かせました。

なぜなら、社会に出たときに周囲の人が必ずしも娘の特性を、理解してくれるとは限らないからです。

また本人が周りの人に、私のことを理解してくれるのが当たり前と思っているのもおかしな話だと思います。

定型発達の人でさえ、周りの人と理解しあうことは難しいのですから。

ですから、本人が発達障がいの特性を理解し、自分という人間の特徴を自覚することが生きづらさを解消するために重要だと思います。

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くまさん

くまさん

東京都

東京在住のワーキングマザー。発達障がい(ADHD)のある中学生と、定型発達の保育園児、乳幼児の3姉妹を育てています。これまでに経験した、出産・結婚・離婚・再婚・ステップファミリーなど、さまざまな体験をもとに、記事を執筆していきます。