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次男と幼稚園

3人の怪獣のママ3人の怪獣のママ

我が家の次男は、年少さんから幼稚園に通っています。
きっと多くのパパママが経験したであろう、登園拒否問題…HSC の次男も、やはり経験しています。
今回は、そんな次男の幼稚園生活についてお話しします。

始まった静かな戦い…

次男の幼稚園生活は、1 学年 100 人、全体で 300 人弱の中規模の、
とにかく手厚い保育が売りな私立幼稚園から始まりました。
長男も同じ幼稚園だったので、次男本人にとっても行き慣れた場所でした。

登園初日の朝。緊張してはいるものの、愚図ることなく登園し、ケロっとした顔で帰って来ました。
さらに、「どうだった?」と聞くと「楽しかった!」と答えたのです。
ところが…夕方、幼稚園の先生から「帰りに大泣きしてしまいまして…」との報告が!
次男は 2 巡目のバス便で帰るグループだったのですが、1 巡目のバスが出る時に、大泣きだったと。
次男本人に聞いてみると「うん、泣いたー」と答えるものの、
それ以上は何を聞いても首を傾げるばかりで要領を得ず、あまり、その話に触れて欲しくないという感じでした。
そこで私は深掘りするのをやめ、
「2 番目のバスに乗れること、先生が絶対に乗せ忘れないようにチェックしてくれていること、もしも乗り遅れてしまっても、ママが絶対に迎えに行くこと」を伝えました。
次男も納得したようで、翌日、元気に園バスに乗って行ったのですが…
やはり、帰りのバス 1 便が出る時に号泣してしまったのです。

それは 2 ヶ月弱毎日続きましたが、やはり園バスから降りてくる次男は何も言わないのです。
先生から聞かなければ、泣いているなど全く想像出来ないほど普通に降りてくるのです。
「自分が 2 番目のバスに乗るって分かるけど、1 番目のバスが行っちゃうと迷子になっちゃう気がしてたの。」と教えてくれたのは、泣かなくなって、暫く経ってからでした。

そもそも 2 便目に乗る子は 1 便目が出る時、まだ園庭で遊んでいます。
普通ならば、遊びに夢中で、1 便目が出ることなど気付きもしないはずなのです。
しかし、次男は周りの動きに敏感で、1 便目に乗る子が、バス乗り場に移動して並ぶことに気付いてしまうのです。

親の気持ちにも敏感な次男

次男の敏感さは親の気持ちにも発動されます。
自分が泣いたと言えば、ママが心配することが分かる次男は、
自分の気持ちよりも私の気持ちを優先し、泣いた姿を見せなかったのだと思います。
本当に可哀想なことをしてしまいました。
私が次男にすべきだった対応は
「そっかー、泣いちゃったかー!うんうん、良いんだよー、泣いても良いの。ただ、ちゃんと帰れたでしょ?ほらね、大丈夫なんだよ!」とドッシリ構えて、
次男の涙を決して否定はせずに不安に寄り添いながらも、焦らずに成功体験を積み上げてあげれば良かったのです。
心配して、泣かないようにする方法を親子で必死に模索するのでもなく、
変にテンションを上げさせようとするのでもなく、獅子のように突き放すわけでもなく、です。
もちろん、子供によって正解は違うと思います。

しかし、もし、我が子が繊細過ぎると感じているパパママには、どうか HSC を知って欲しいと思います。
我が子の繊細さを「克服させたい、矯正させたい」などとは思わずに、
認めて寄り添って待ってあげて欲しいと思います。

朝の腹痛と帰宅後の癇癪

年少の夏休みまでカウントダウンに入った頃、朝の園バスを待つ間、腹痛を訴えるようになりました。
病気ではなさそうだったので、抱きしめたまま園バスを待ってみたり、手遊びをしてみたり、
緊張と不安を意識させないように園バスを待つのが日課になりました。

そして、同じ頃から、いつも穏やかな次男が、幼稚園から帰宅すると不機嫌大魔神になるようになりました。
イライラを隠せないほどに、次男は疲れていたのです。
幼稚園では荒れることはありませんでしたが、頻尿になってしまいました。
更に、年中になると、時々、何の前触れも無く嘔吐することがありました。
風邪かな?と思って対応していましたが、随分たって、それは自家中毒だったと分かりました。
しかし、当時は理由が分からず、次男の繊細さに悩み、落ち込み、完全に迷宮入りしていました。

引っ越し、そして転園!

年中の夏、主人の転勤で引越しすることになりました。
それに伴い、次男も転園。
次の幼稚園はマンモス幼稚園でした。
伸び伸びとした園風で、手厚過ぎないことが逆に良かったのか、帰宅後に魔神に変身することは無くなりました。

しかし、大きな問題がありました。週に 3 日給食だったのです。
偏食の次男にとって、それは大きなプレッシャーとなりました。
更に、成長と共に敏感さにも磨きがかかり、年長に上がる頃には、
嘔吐の頻度が増し、お腹を下し、給食の日は園バスに乗るのを泣いて拒否するようになりました。
帰りのバスは乗っている 時間が長いこともあり、トイレが心配で乗れなくなり、お迎えに行く毎日となりました。

しかし、幼稚園が嫌いだったわけではなく、園の活動を楽しんでいたのも、また事実です。
次男自身もまた、自分の敏感さを持て余し、どうしたら良いのか分からなくなっていたのだと思います。

自家中毒、HSCとの出会い

ある時、小児科の先生に、次男の嘔吐はおそらく自家中毒であろうと指摘を受けました。
それにより、適切な対処法が分かり、ホッとしました。

しかし、自家中毒では説明がつかない繊細さ。調べても調べても、暫くは分からないままでしたが、
ある日ネットで HSC という言葉に出会ったのです。
HSC かどうかを判断する為のチェックリストには、まさに次男の状態がズラリと並んでいました。
繊細さの理由が分かり、思わず泣いてしまったのを覚えています。確かな道しるべを見つけた気がしました。

繊細さと生きていく

次男が HSC だと分かった私は、次男の繊細さを改善させようとするのを辞めました。
繊細さをネガティブに捉えず、むしろ強みにする為には、
次男自身が自分の繊細さを認めて、自分の気質との付き合い方を学んでいかなければなりません。

その為には、まず私が、繊細さを持ったままの次男で沢山の自信を持たせてあげなければと思ったのです。
その前提を覆さないよう、気を付けて接した結果、それは驚く効果をもたらしました。
園バスに、愚図ることなく乗って行けたのです。
更に、帰りのバスにまで乗れたのです!もちろん、繊細さは今も健在です。

これから先も沢山の壁があると思います。
ただ、それはそれで良いのだと、次男にもボンヤリかもしれませんが、確かに伝えられたのではないかと思います。

HSCと幼稚園

HSCにとって、幼稚園は、なかなかストレスが多い場所なのだと思います。
繊細さに寄り添えるように手厚い園の方が良いのかと思いきや、
我が家のように、そうでも無かったり、もっと小さな園の方が合っている子もいるかもしれません。
繊細な子に合わせ、やはりこちらも、その子に合う繊細な対応が必要にはなってくるとは思います。
幼稚園に行けない日もあると思います。でも、それは弱さでも負けでも無いのです。
その子なりに、自分を守る大切な時間なんだと思います。
まだまだ我が家も次男と幼稚園の付き合い方を模索しているところです。
でも、「繊細さは悪いことじゃない!」それだけは忘れずに、次男を見守っていこうと思います。

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3人の怪獣のママ

3人の怪獣のママ

大阪府

現在は大阪府在住ですが、全県転勤ありの転勤族の夫と結婚して12年。元気が取り柄の小4の長男、おそらくHSCのために繊細な年長の次男、ひょうきん者な年少の三男と3人の子宝にも恵まれました。楽しくも、手探りで毎日奮闘するアラフォーママの生活をお伝え出来たらと思います。