• pre プレママ・パパ
  • learn 学ぶ

産後調理院の体験記② 〜どんなサービスが?〜

りんごりんご

前回からシリーズでお届けしている韓国の産後調理院体験記。今回は「ママの天国」と言われているこの母子ケア施設で、一体どんなことが行われているのか?私の体験を元にご紹介したいと思います。

産後調理院で受けられるサービスとは?

1、新生児のケア

調理院には新生児専門の看護師が常駐し、おむつ替え、沐浴、授乳、体調管理を24時間体制で行ってくれます。また、新生児のケア方法を教わることもできます。

私がお世話になった調理院では、完全母乳育児を推奨するのではなく、母乳と粉ミルクの混合育児を当たり前のように行っていたため、深夜は授乳を看護師さんに任せ、ぐっすり寝ている人がほとんどでした。

「母乳だけで育てたい」という人は、搾乳した母乳を寝る前に預けておいたり、夜中赤ちゃんが目を覚ますたびに看護師さんから連絡をもらい、直接授乳したりしていましたが、私は最初母乳がほとんど出なかったので、夜は看護師さんにお任せ。

母乳が出るようになるまで、無料で数回おっぱいマッサージを受けられたのは良かったのですが、深夜の授乳をしなかったからか乳首に白斑ができ、授乳のたびに激痛が走ることに…。早くも「乳口炎」というおっぱいトラブルに悩まされることになったのでした。

2、身の周りの世話

調理院では朝・昼・晩のご飯と、1日3回クルミ粥やトウモロコシ粥、お餅やフレンチトーストなどの間食付き。部屋の掃除や洗濯もやってもらえました(ただし洗濯物は自室に自分で干します)。

産後は母乳を与えるからか、とにかくお腹が空いたのですが、産んだ直後の体は下腹部の傷も痛むし、毎回キッチンに立ってご飯を作るのは至難の業。なので、2週間毎日作り立てのご飯を用意してもらえたのは、本当にありがたかったです。

調理院は基本的に、産後1週間検診(母親のみ)以外は外出禁止なので、2週間ずっと隔離生活を送ることになります。ほぼ自室で過ごさねばならないため、唯一の楽しみは食事と言っても過言ではありません。ですので、調理院を選ぶ時は「食事がおいしいかどうか」も重要項目の1つと言われています。

各自部屋で食べる調理院もあれば、決められた時間に食堂で食べる調理院もあり、前者は気楽ですが孤独になりがちで、後者は多少人に気を遣いますがママ友ができやすいという利点があります。

私は自分の部屋で食べるスタイルだったのですが、やはり2週間缶詰めとなると人恋しくなりますし、他のママたちの声をもっと聞きたかったので、食堂で食べる調理院の方が自分には合っていたかもしれません。

3、母体回復を目的としたマッサージ

多くの調理院では「産前産後のマッサージ」が特典としてついています。私がお世話になった調理院でも産前に1回、産後に1回、全身のオイルマッサージが無料で受けられることになっていました。その他に、ピラティスや骨盤矯正などの母体回復プログラムを行っている所もあるようです。

同じ時期に調理院で出会った韓国人ママの中には、「出産のご褒美」として夫や親に資金を提供してもらい、1週間の滞在中、毎日マッサージを受けているという人もいました。聞けばその額、10万円を超えるんだとか…!

私は調理院の勝手な事情により、産前1回のマッサージをしてもらえず、産後1回だけロングマッサージを受けました。母体回復に効果があったかどうかはわかりませんが、しばし至福の時間を過ごせたのはとても良かったです。

4、外部業者によるさまざまなプログラム

平日は毎日1〜2つ、様々なプログラムが催されていました。私が体験したのは、モビール・夜間授乳用ライト・焦点本づくり。これらはすべて、教育絵本や知育玩具を取り扱う会社が主催していました。

一緒に参加した韓国人ママの話によると、韓国では子どもが生まれるとこのような会社から数十冊まとめて絵本セットを買う人が多いそうです。その額なんと4〜7万円。私は購入しませんでしたが、結局その後、親戚が昔まとめ買いした大量の中古絵本をいただくことに…。

また、ベビーマッサージが習えるという「新生児管理方法」のプログラムでは、終了後、担当者がものすごい勢いでマッサージ用の高級クリームを宣伝し始めたことがありました。「買わないと帰さないわよ」という雰囲気に、ママたちが凍りついてしまうほど(笑)。このように、調理院の無料プログラムは、育児・教育関連業者のPRの場でもあるんですよね。

一部、そんな必死の営業に驚くこともありましたが、地元の歯科医による「新生児の歯の管理方法」ではクイズ形式で管理法を学び、赤ちゃん用の歯磨き粉をいただいたり、ヨガの時間には産後の身体とゆっくり向き合えたり。専門家による心理相談を受けられるプログラムもあったりして、他のママたちとも交流を深めながら、2週間退屈することなく過ごせたように思います。

5、記念撮影

以前、韓国のマタニティフォトについてご紹介しましたが、私がお世話になった調理院では「マタニティフォト+新生児フォト+生後50日」の撮影を無料で行い、アルバムを1冊プレゼントしてくれるという特典がありました。生まれてまもない新生児を連れて写真館へ出かけるのは難しいので、こうして撮影に来てもらえるのはありがたく、良い記念にもなりました。

このように、至れり尽くせりな毎日ではあったものの、滞在中、とまどったことや後悔したことなどもいくつかありました。次回はそんな話を交えながら、調理院の環境や、韓国人ママたちとの交流体験などについて書いてみたいと思います。

この記事にいいね!

りんご

りんご

韓国

韓国在住、日韓ハーフ1歳児の母です。30代後半で国際結婚。新婚生活スタートと同時に子どもを授かり、異国の地で手探りの妊娠期間と高齢出産を経験しました。日本では紙媒体の編集記者の他、ファミリーサポートセンターでの勤務経験もあり。今地球のどこかで、ちょっぴり孤独も感じつつ子育てに奮闘中の方へ、私の体験・失敗談を通して「1人じゃないよ」とエールを届けられたら嬉しいです。