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韓国式の産後ケア① 〜食べ物編〜

りんごりんご

韓国では誕生日に「ワカメスープを食べる」という人が多くいます。誕生日の朝、遠く離れた家族や友人から「お誕生日おめでとう」の代わりに、「ワカメスープは食べた?」と電話がかかってくることもあるくらい。それほどまでに重要視される、このワカメスープとは一体…?

実はこれ、韓国では子どもを産んだ母親の多くが一番最初に口にする料理なんです。出産やその後の授乳により失われがちな栄養分を補うには、産褥期(身体が妊娠前の状態に戻るまでの期間。産後6〜8週間)にヨードやカルシウム、鉄分などミネラルたっぷりのワカメをたくさん食べるのが良いとされてきたため、出産後のママたちは母親や義母、夫、あるいは自分で作ったワカメスープを延々と毎日食べ続けます。

そのような風習があることから、韓国では誕生日を迎えるたびにワカメスープを食べることで、親は子どもの健やかな成長を願い、子どもは産み育ててくれた親への感謝を忘れないようにするのだそうです。

産後は毎日ワカメスープ

韓国で息子を出産後、2泊3日過ごした産院では、本当に毎食たっぷりのワカメスープが出てきました。ある時は牛肉入り、ある時はムール貝入り。同じワカメスープと言っても、入れる具によって味わいが変わるので、なんとか毎日おいしく食べることができましたが、人生でこんなにたっぷりのワカメスープを毎食口にしたのは初めてでした。

しかし、これはまだ序章に過ぎなかったのです。産院を退院した後、2週間お世話になった「産後調理院」という施設でも、1日3回必ずワカメスープが登場しました。

さらに自宅へ戻ってからは、義母が作った大量のワカメスープが待ち受けており…。「捨てちゃだめよ。全部ちゃんと食べなさい」と言い残し、帰っていった義母。「母乳の出も良くなるから」と言われましたが、真偽は定かではありません。

ここ数年の韓国の報道によると、ワカメに含まれるヨードを大量に摂取するのは逆に身体に良くないので「産後にワカメスープを毎食食べる必要はない」という研究者たちの声も紹介されています。

というわけで、ワカメに限らず何でも食べすぎには注意する必要がありますが、もし韓国式に産後の養生をしてみたいという方は、1日に1食でもワカメスープを食べてみてはいかがでしょうか?いつも私が参考にしているレシピをご紹介しますので、いろいろアレンジしてお好みの味を見つけてみてくださいね。

韓国式ワカメスープ(4人分)の作り方

■材料
乾燥ワカメ 10g
牛肉 50g 
にんにくのみじん切り 6グラム(小さじ1強)
ごま油 5グラム(小さじ1)
薄口醤油 23グラム(大さじ1と1/2) 

■作り方
1. 乾燥ワカメを水で戻した後、水気を切っておく。
2. ごま油を回し入れた鍋に、ワカメ、牛肉、にんにくを入れて3分間さっと炒める。
3. 水5カップ(1000㏄)を注ぎ強火でひと煮立ちさせた後、うすくち醤油を入れて味を整える。

■ポイント
完成してからさらに弱火で5分以上煮込むと、より柔らかく深い味わいになります。
牛肉がなければ入れなくてもOK。貝類やタマネギを入れてもおいしいです。

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りんご

りんご

韓国

韓国在住、日韓ハーフ1歳児の母です。30代後半で国際結婚。新婚生活スタートと同時に子どもを授かり、異国の地で手探りの妊娠期間と高齢出産を経験しました。日本では紙媒体の編集記者の他、ファミリーサポートセンターでの勤務経験もあり。今地球のどこかで、ちょっぴり孤独も感じつつ子育てに奮闘中の方へ、私の体験・失敗談を通して「1人じゃないよ」とエールを届けられたら嬉しいです。