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陣痛なくても楽じゃない!帝王切開体験レポート

くまさんくまさん

今回は、1年前に帝王切開(計画分娩)をした際の体験レポートを詳しく書いていきたいと思います。

どこをどう切る?気になる傷跡や大きさについて

帝王切開でまず気になるのが、どこをどのように切るのか。また、傷跡はどのくらいの大きさになるのかということだと思います。

分かりやすいように、以下に箇所書きしていきます。

切開場所

へその下から数センチほどのところからメスを入れる。

切開部分の大きさ

だいたい10〜15cmくらい切る。
※緊急の場合は縦に、計画の場合は横に切ることが多いが、病院によって異なる。傷跡が目立ちにくいのは、横切り。

ちなみに私は計画分娩でしたが縦切りでした。

傷跡はどうなる?

少し赤くなって段々と日が経つにつれて白っぽくなり、表面が少し盛り上がる。触った感じは他の皮膚より少し硬めです。ケロイド体質の人はケロイド状になりやすいです。

傷跡は目立つ?

目立つか目立たないかと言われれば、やはり傷跡なので目立ちます。ですが普段の生活ではショーツに隠れてしまうので、気になることはありません。

傷跡テープの効果って?

傷跡テープとは、最近流行りの「湿潤療法」が出来るテープのこと。一般的なものだと「傷パワーパッド」などの絆創膏が有名です。傷専用のテープを貼ることによって、傷をキレイにしてくれる効果があるそうですが、産院や病院によって教えてくれるところとくれないところがあります。私が通っていた病院では教えてもらえませんでしたが、私自身知識はあったので先生に使用してよいかどうか聞きました。

先生によって貼らない方がよいと言う人もいますので、気になる人は傷口の状態を確認してもらった上で使用してよいかを必ず聞くようにしてくださいね。

ちなみに私は先生に止められて使用しませんでしたが、違う場所の手術をした際には、病院から勧められてテープを貼りました。その傷跡は、どこに傷があったのか分からない程キレイになりました。ですが中には「痒くて剥がした」「化膿した」という人もいるそうなので、やはりテープの使用はお医者さんと相談するのが良さそうです。

入院から手術の流れを詳しく解説

これから帝王切開に挑む人のために、入院から手術の流れを詳しく解説していきます。

手術日の決定

まずは帝王切開をする日をお医者さんと決めます。妊婦検診で赤ちゃんの大きさを確認して、だいたいこの週数くらいになれば大丈夫という時期を先生が割り出してくれます。私の場合は妊娠38週での出産に決まりました。

入院当日

手術の1日前に入院します。まず院内施設の説明をされて、赤ちゃんの部屋や授乳の部屋などを見て回ります。それから入院着に着替え、採尿・採血・血圧測定・体重の計測を済ませます。お昼ごはんが運ばれてくるので、それを食べてから、後は自由に過ごします。
明日の手術に備えて、その日は夕食から絶食します。その代わりに経口補水液をたくさん飲まされました。ちなみに私はされませんでしたが、このタイミングで浣腸などをする病院も多いそうです。

手術当日

朝起きたら体温測定・採尿・採血・血圧測定・体重の計測を済ませます。それから看護師さんによる剃毛があります。その後は、手術室に呼ばれるまで自由に過ごします。

手術室へ移動

まず手術室の前まで行くと、貴金属を身につけていないか、ネイルをしていないか、化粧をしていないかを確認されます。薄化粧や眉毛だけでも化粧品に含まれる金属物質が手術中に焼けることがあるそうです。私は眉毛を描いていたので、その場で拭き取ってもらいました。

手術台へ

次に手術台に自分で上がり、仰向けに寝ます。すると看護師さん2〜3人で入院着を脱がせ、体にタオルをかけてくれます(裸の状態です)。

脊椎麻酔

その後、横向きになりCの字になるように丸まって、腰もグっと丸めます。そこへ脊椎麻酔が打たれます。針が深く入るので少し痛みはありますが、それも最初だけで、後は麻酔が入っていく感覚の方が気持ち悪いです。段々と腰が温かくなってくるのが分かります。麻酔は10分くらいで効き始めます。

手術開始

そしていよいよ手術です。手術室に執刀医が入って来ます。ちなみに帝王切開の手術は医師が2人でないと出来ないという決まりになっているそうです。

先生は手指の消毒をし、手術着に手際良く着替えると、私の足をパチパチ叩いたり押したりして「痛いですか?」と聞いてくれます。そして痛みがなく麻酔が効いていることを確かめると、お腹にメスを入れます。もちろんお腹を切られていても麻酔が効いているので痛みはまったくありません。ですが押されたり、ひっぱられたりするような感覚だけはある、不思議な感じです。

手術中の呼吸の苦しさ

手術前に麻酔科医の先生から、手術中に呼吸が困難になることがありますが、これは麻酔が下半身に効くように出来ているため、呼吸を司る筋肉にも少し影響してしまうからなのだと説明されました。「苦しい時は遠慮なく言ってください」「酸素マスクをつけます」と言われていました。

手術中確かに呼吸が苦しくなったのですが、先に説明を受けていたので何とか気を紛らわすことで絶えしのぎました。でも説明を受けていなかったらプチパニックになっていたかもしれないくらい息苦しかったです。

手術中盤

お腹にメスを入れ、切り開いた後は子宮にメスを入れます。そして少し上から押すような感じで「グっ、グっ」と先生がお腹を押すと赤ちゃんが出てきます。手術室に入ってからここまでだいたい20分くらいです。

手術終了

赤ちゃんが取り出された後は、胎盤を外に出し子宮をキレイにしてから傷口を縫って閉じていきます。
この時に看護師さんが赤ちゃんを連れてきてくれ、数秒だけ対面。その後、赤ちゃんは体重測定や検査のため別室に連れて行かれます。
赤ちゃんが取り出されてから20分程度で処置が終わり、ここで何も異常がなければ病室へと戻されます。

いつから歩ける?お風呂は?手術後の生活について

手術が無事に終了したら、次に気になるのがその後の生活です。そちらについても詳しくご説明していきます。

普通分娩よりもキツかった…苦しめられた後陣痛

私は第一子を普通分娩で出産しています。その時にはあまり感じられなかった後陣痛ですが、帝王切開後の後陣痛は比べ物にならない程痛かったです。

手術をしてから数時間はまだうっすらと麻酔が効いているので、痛みはそれほど感じませんでしたが、麻酔が切れてからが地獄でした。5〜10分置きに猛烈な痛みが子宮を襲います。痛み止めの錠剤も飲んでいるのですが、まったく効かずに、タオルを噛み、ベッドのフレームを握りしめながら痛みをやり過ごしました。

痛みで眠ることも出来ないのでナースコールをして、点滴で痛み止めを入れてもらいました。初めはそれでも効きませんでしたが、痛み止めの量を増やして何とか眠ることが出来ました。

看護師さん曰く、痛い時はすぐに言ってくださいとのことでした。痛み止めで楽になれるなら、この時ばかりはお薬に頼っても良さそうです。

飲食はいつから出来る?

帝王切開で出産した後は、しばらく飲み食い出来ないというのは有名な話ですが、あれは臓器の癒着を防ぐためなのだとか。そのためガス(おなら)が出て腸が動いたことを確認出来たら、初めて少量のお水を飲めるのだそうです。

私の場合は手術の翌日にガスが出たので、朝食に番茶と牛乳が出ました。その後は重湯、五分粥、全粥と段々と普通のお米に近くしていき、手術の翌々日には通常の食事に戻りました。

トイレや歩くのはいつから出来る?

手術後は尿管に管が通っているので、尿はそこからベッド横についている尿瓶のようなパックに勝手に排出されています。オシッコをしている感覚は自分ではありません。

手術の翌日に傷跡のチェックがあり、そこで問題がなければ尿管から管が抜かれます。この時少しだけ痛いです。尿管から管が抜かれると、もう自分でトイレに行かなければならないので、この日から歩くことになります。

この時、点滴に繋がれた状態なので、点滴スタンドという物が大変役に立ちます。というよりこのスタンドがないと立てません(笑)。点滴スタンドをコロコロ転がしながら、なるべくお腹に力を入れないようにゆっくりゆっくり進みます。

傷はどのくらい痛い?

術後すぐは麻酔が効いていますが、麻酔が切れて痛み止めの点滴も減らす時期になるとやはり傷は痛みます。特にくしゃみや笑ったりすることは絶対にNGです。お腹が裂けるのではないかと思うくらいに痛いです(笑)。くしゃみってこんなに腹圧がかかるのかと、その時初めて知りました。

傷の痛みは日を追うごとに和らいでいきますが、出産という名前ではあっても開腹手術をしたことには違いないので、やはり痛いです。痛みがなくなるまでにはそれなりに時間がかかります。

お風呂はいつから入れる?

気になるお風呂については、シャワーは術後問題がなければ3日目から浴びられます。湯船に浸かるのが許されたのは1ヶ月後からでした。

2回の抜糸でようやく楽になる

術後3日目に1回目の抜糸があります。抜糸と聞くと怖いイメージがありますが、「パチンッパチンッ」という感じですぐに終わります。痛みはほんの少しだけあります。抜糸をすると引きつっていたものがなくなるからか、途端に楽になり動きやすくなります。

そして退院の日の朝に2回目の抜糸。ここで完全に解放された感じになります(笑)。この頃にはもう普通にスタスタ歩けています。

まとめ

今回は帝王切開の体験レポートを執筆しました。普通分娩に比べて、出産の日時が決まっているので心の準備をしやすいというのが帝王切開のメリットではありますが、普通分娩と帝王切開のどちらも経験して思うのは、産後に関しては断然帝王切開の方が辛いということです。出産という名前ではありますけど、手術ですからね。それなのに赤ちゃんの授乳もあり「待ったなし!」な状態なので…。

「帝王切開は出産じゃない」なんていう言葉をたまに耳にしますが、そんな言葉は気にせずに、この闘いを乗り切ったことに誇りを持って欲しいと思います。

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くまさん

くまさん

東京都

東京在住のワーキングマザー。発達障がい(ADHD)のある中学生と、定型発達の保育園児、乳幼児の3姉妹を育てています。これまでに経験した、出産・結婚・離婚・再婚・ステップファミリーなど、さまざまな体験をもとに、記事を執筆していきます。