小学2年生くらいからのお子さんが「かかとが痛い」と訴えてきたとき、真っ先に思い浮かぶのは成長痛でしょうか。確かに成長痛の可能性は否定できませんが、もしお子さんがスポーツなど頑張っているなら「シーバー病」も疑ってみることです。
私の息子は小学4年生のとき、かかとの痛みがひどく整形外科を受診。「シーバー病」と診断されました。
小学2年生からはじめた空手が原因!?
現在小学6年生の息子は、小2の夏頃から極真カラテを習い始めました。
余談ですが、当時息子はサッカーを習いたかったようですがサッカーの練習は土日。私たち夫婦は共働きで土日も関係なく仕事があったので、送迎必須の田舎では息子にサッカーをやらせてあげる環境がありませんでした。
そんなとき息子の友達から「一緒に空手やらない?」と誘われたのがきっかけで、いざ道場の見学へ!空手の稽古は夜ですから送迎にも支障がなく「息子がやりたいなら…」という気持ちで体験を経て本格的に入会しました。
どうやら息子は空手にハマり、まさに「空手バカ」というレベルで、週6ペースの稽古に励む日々。空手を始めて丁度2年ほど経った頃、「お母さん、かかとが痛くて歩けない」と訴えてきました。見た目は腫れているわけでもなく、赤くなっているわけでもないし…。成長痛?空手のやりすぎ?程度に考えていたのですが、空手は休みたくないと言いながらも、つま先歩行になっている状況だったので念のため整形外科を受診することにしました。
レントゲン・触診・問診の結果、「シーバー病」と診断されたのです。
見た目はなんでもなかったのに…です。
そもそも「シーバー病」って何?
正式な病名は「踵骨骨端症(しょうこつこったんしょう)」というもので、「セーバー病」と表現する医師もいます。息子の担当医はシーバー派でしたが(笑)
成長期の子どもはかかとも未熟で、骨が完全に出来上がっているわけではないんですね。子ども特有の成長軟骨が、大人になるにつれてしっかりと骨に変わっていく過程で起こる病気です。未成熟な軟らかい骨は、過度な刺激に耐えられるほど強くはないということでしょう。
息子の場合は空手が引き金になったと思われますが、一般的にはスポーツ障害と言われる病気ですから、かかとに負担がかかるスポーツすべてが対象となります。スポーツに限らずジャンプを繰り返すだけでも発症する可能性があるようです。
10歳前後の男の子に多い病気と言われていますが、今は女の子も活発ですから男女共通で、かかとの痛み=シーバー病という認識を持っておいた方がいいかもしれないですね。
かと言って子どものヤル気は大切に育ててあげたいので、空手に限らずやりたいことは極力やらせてあげたい。賛否両論ありますが、病気を恐れて臆病にはなりたくないと考えています。
治療は安静&冷やすこと!
空手を休みたくない気持ちから痛みを隠していた息子ですが、悪化してからの受診となってしまい、結果として「安静」。当然空手はお休みです。靴を履くのも痛いほどだったので、学校の体育も見学となり、しばらく力を持て余していました。
かかとの痛みを緩和するために「かかとサポーター」を装着して、なんとか学校は徒歩で通学出来ていましたが、相当頑張って歩いていたのだと思います。
早期発見!早期安静!!これが1番の治療法ですから、再発を繰り返さないためにも無理は禁物ということですね。
痛みから1ヶ月で普通に歩けるまでになったけど…
特に薬を飲むわけでもなく、ひたすらかかとの安静と冷湿布で対応し、1ヶ月ほどで痛みは治まりました。しかし、空手を再開してすぐに痛みが復活。息子のやめたくない気持ちを尊重して、稽古は週6を週3~2に減らして現在も頑張っていますよ!
骨が成長するまでは痛みと上手に付き合っていくしかありません。
予防策としてアキレス腱を伸ばすなど、ストレッチをしっかり行い、定期的に整形外科を受診しています。
指導者・保護者が病気を理解して、医師の力を借りながら子どもの可能性を応援できたらいいですね!
kitto♥
千葉県
東京出身、現在は千葉県在住の50歳。14歳の娘と12歳の息子の母です。 流産を経て、高齢出産で帝王切開により出産しました。育児経験も14年となり「幼児期にこうしてればよかった…」など、振り返ると後悔ばかり。そんな観点からも情報提供できたらいいな!と思います。 医療事務として20年以上勤務し「ワーキングマザー」の悩みも痛いほどわかります。ちなみに現在はWebライターです。 自身の経験と医療機関勤務で得た知識から、育児・病気をメインにお伝えしていきますね!