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ジレンマと闘う!シングルマザーの仕事と育児

くまさんくまさん

子どものための「仕事」のはずなのに…

私は今年でグラフィックデザイナーとして働き始めて11年目になります。
そして私がシングルマザーになったのは、会社勤めを始めてちょうど5年目の夏のこと。結婚当時は、会社の給与になんら不満はありませんでしたが、いざ一人で子どもを育てていくとなると、私の給料では足りないという現実に直面。それまでは子どもがいることもあり、時短勤務で残業なしのスタイルでお願いしていたため、他の方より低めの給料設定になっていました。

私は子どもを養っていくために会社に勤務時間の延長について相談をし、正規社員の時間帯で働けることになりました。その時在籍していた会社は慢性的に人手不足な状態だったので、私の提案は非常に喜ばれ、私もこれで子どもを何とか養っていけるとホっと胸を撫で下ろしたのですが…。

体調不良は突然に…ワーキングマザーの苦

正規の時間帯で働き出した途端、娘の発熱などの体調不良ラッシュに見舞われました…。
せっかくバリバリ働き出したのに、早退・欠勤・遅刻の連続で私は「会社に申し訳ない」「このままではクビになるのではないか」「欠勤などで給与が下がるのではないか」頭の中はマイナスの気持ちでいっぱいに…。

でも、それより何よりも私が嫌だったことは、娘が熱を出した時に真っ先に娘のことを考えられなくなっている自分でした。娘が熱を出した時の私は「仕事どうしよう…」「また休まなくてはいけない…」そんなことばかり考えるようになっていました。本当なら娘の身体のことを真っ先に心配しなければいけないのに、当時の私は完全に余裕がなくなっていたのです。

子どものために子どもを犠牲にするというジレンマ

その後、娘の体調不良ラッシュを何とか乗り切り、やっと仕事に打ち込める!と毎日バリバリと働き残業もこなしていました。そのおかげで昇給し、安定した生活を送れるようになっていた矢先のことです。

娘が保育所に行きたくないと駄々をこねるようになりました。その当時、娘は24時間型の保育施設に通っていて、朝7:00〜21:00までの保育で食事や入浴も保育施設で済ませてもらっていました。考えてみると、平日ほとんど私と過ごす時間がありませんでした。

当時の私は、子どもを養っていかなくてはいけないという責任感から、お金を稼ぐことに必死になるあまり、娘の気持ちをないがしろにしてしまっていました。元々よく喋る方だった娘は、保育施設からの帰り道で今日あったことをたくさん話してくれました。それが段々と話をしてくれなくなり、うつむいて黙り込んだままの日も増えていきました。大好きなはずのおやつも給食も残すようになり、徐々に元気のなくなっていく娘。

親が離婚して、ただでさえ家族の人数が減ったのに、今度は母親までいなくなって…知らない施設に一人置いて行かれる。当時の娘の気持ちを考えると、申し訳ない気持ちでいっぱいになります。それでもその時の私は「そんなこと言わないでちゃんと行きなさい」と娘に言い聞かせながら、内心は「このままではいけない…」「自分は何のために働いているのか」「娘を幸せにすると誓ったのに」そう考え、ずっと一人で悩んでいました。

娘のために会社を辞める

そして悩んだ末に私が出した結論は、娘のために会社を辞めるというものでした。
収入?キャリアは?全て捨てることになるのかという、見えない怖さの中本当に色々悩み、自分自身と向き合いました。親の離婚という本来ならしなくてもいい経験を娘にさせてしまったことへの罪悪感や、それと何よりも娘を幸せにすると約束した以上、もう会社勤めを続けることは出来ないと思い決断したのです。

幸いにも財産分与で得たお金や少しの貯金もあったので、1ヶ月間は仕事をせずに、毎日娘と過ごしました。「公園全部行ってみたい!」「土手でお母さんとお散歩したい」「ボールプールしたい」「映画観たい」「動物園行きたい」「ペンギン見たい」「キャンプ行きたい」「お母さんとお料理したい」娘のリクエストに出来る限り応えながら、二人きりの時間を思い切り楽しみました。すると娘の顔がみるみる明るくなっていくのを感じました。この時はとても嬉しかったです。

在宅勤務&幼稚園入園で新たなスタート!

会社を辞めて1ヶ月の間娘との時間と次のステップの為に動き始めました。そして、娘のためにフリーランスというスタイルで在宅の仕事をすると決めたのです。

以前勤めていた会社に許可をもらい、在職中からお世話になっていたクライアントに営業をかけさせてもらいました。そこで頂いたお仕事をこなしながら、求人サイトでも業務委託の求人を探しては応募。面接には子どもを連れて行ったこともありました(笑)。

そんなこんなで何とかまとまった収入が見込めるようになったのです。しかし会社勤めと違い、業務委託の場合は毎月仕事があるとは限らないので、安定した収入という訳ではありません。それなので私は常に仕事を探し求め、いくつもの仕事をかき集めるようにして生きていました(笑)。

そのうちお家遊びに退屈した様子の娘のために、幼稚園を探し始めました。ただ、仕事をしていて送り迎えが出来ないので、バス通園があるところに絞って幼稚園を探しました。そして晴れて入園。毎日楽しそうに幼稚園に通うようになった娘。私は娘が幼稚園に行っているわずかな時間に集中して仕事を終わらせ、また娘が寝てからも仕事をこなしました。

忙しい毎日ですが、娘の笑顔が私の心を満たしてくれます。フリーランスという立場は決して甘い世界ではないですが、仕事のやり方と技術次第では満足いく「働き方」が出来るのはないかと思います。

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くまさん

くまさん

東京都

東京在住のワーキングマザー。発達障がい(ADHD)のある中学生と、定型発達の保育園児、乳幼児の3姉妹を育てています。これまでに経験した、出産・結婚・離婚・再婚・ステップファミリーなど、さまざまな体験をもとに、記事を執筆していきます。