アンニョンハセヨ!韓国で子育て中のりんごです。わが家の息子は今1歳8か月。最近突然、食べ物の好き嫌いが始まりました。食卓の椅子によじ登り、気に入らないことがあると泣き叫び、ダメと叱れば笑って逃げる…。その姿はまるでプチモンスター!
親である私は息子のエネルギーに圧倒されっぱなしで、「子どもはかわいいけれど、子育ては辛い」と感じることが増えてしまいました。
そうやって少し落ち込むたび、意識して見返すようになったものがあります。それは、リビングの壁に飾っているマタニティフォト。妊娠8か月頃に韓国の写真館で撮ったもので、夫と並んで立っている何てことのない記念写真なのですが、それを見るたびに、「早く赤ちゃんに会いたい」と心待ちにしていた当時の私に「元気出して」と励まされる思いがするのです。
最初は無関心だったけれど…
実はこのマタニティフォト、妊娠当初は全く関心がありませんでした。SNS等で目にするマタニティフォトの中には、大きなお腹の肌を露出して撮っているものが多いですよね。その姿は美しく神秘的ではありますが、私自身は人前で肌を出すことに抵抗があったので、「撮るなら家で記録程度に」と考えていました。
しかし、ここ韓国では妊婦の必須コースのように、写真館でのマタニティフォト撮影への道が用意されていたのです。
無料で撮ってもらえるマタニティフォト
以前の記事にも書きましたが、韓国では出産した病院を退院後に「産後調理院」という母子のケア施設に1~2週間入る人が多く、私も2週間予約しました。すると、マタニティフォト+新生児フォト+生後50日フォトをすべて無料で撮影し、1冊のアルバムをプレゼントしてくれるという特典がついてきたのです。
韓国では産後調理院の他、産婦人科でもそのようなサービスを行っているところが多いので、「出産前に写真館でマタニティフォトを撮る」ということが当たり前のようになっている節があります。というわけで、写真館から半ば強制的に予約を促され、お腹が一番大きく膨らんできた頃、いざ撮影へ。
男性の衣装はレンタルなしでしたが、女性は衣装2点レンタル可で、簡単なヘアメイク付き。衣装は膨らんだお腹のラインがきれいに見えるワンピースがほとんどで、私が敬遠していたお腹を全部露出する服は用意されていませんでした。
自然光の入るスタジオで、カメラマンの指示に従って1人で撮ったり、夫と並んで撮ったり。「私は女優よって顔をしてください」と言われてもできない私の横で、まるで役者のようにポーズを決める韓国人夫(笑)。
余談ですが韓国の人たちは写真好きで、家のリビングや寝室に大きな家族写真を飾るのも一般的です。大人だけでなく幼稚園の子たちであっても、自分の見せ方やポーズのとり方が上手で驚かされます。
撮影後の営業トークに圧倒される
終了後は1時間ほど休憩をはさみ、撮ったばかりの写真を編集した動画を見せてもらいました。動画の最後には、夫から、妻とこれから生まれる子どもへの手書きメッセージが…!
ここで感動のあまり泣いてしまう女性も多いそうですが、その後すぐ始まったスタッフの営業トークの勢いに、私の涙はこぼれるどころか、すーっと乾いていったのでありました。
説明によると、マタニティ+新生児+生後50日に加え、生後100日と1歳の時にも写真を撮り、1冊の立派なアルバムを作る人が多いそうです。相場は10万円以上でしょうか。申し込むと、立派な壁掛け写真や全写真データを無料でもらえるなど、魅力的な特典もいっぱい!
出産後、生後50日撮影に行った時もスタッフから猛プッシュされましたが、先輩夫婦から「立派なアルバムを作ってもほとんど開かないよ」という声を聞いていた私たち。悩んだ末、無料のアルバムだけありがたくいただくことにしたのでした。
息子にとっても大切な1枚に
こうして手元に残ったマタニティフォトはたった2枚でしたが、自分たちで撮ったスナップ写真とは違い、プロの技術でその時の気持ちまで写真に閉じ込めてもらったような気がしています。
息子がぐずってどうしようもない時は、抱き上げて、マタニティフォトを見せながら、「○○ちゃんはここにいたんだよね。お腹にいた時どうだったかな?」と話しかけることもあります。息子はにっこり笑ったり、声を発したり。まだ小さいとはいえ、間違いなく何かを感じている様子です。
マタニティフォトって「妊娠中の姿を記念に残すもの」だとばかり思っていましたが、息子にとっては自分の誕生の歴史を振り返ることができる大切な1枚なんですよね。
最初は全くのり気じゃなかったけれど、ちゃんと撮ってもらっておいて良かった!これからも時々一緒に写真を眺めながら、息子といろんな話をしていきたいと思っています。
りんご♥
韓国
韓国在住、日韓ハーフ1歳児の母です。30代後半で国際結婚。新婚生活スタートと同時に子どもを授かり、異国の地で手探りの妊娠期間と高齢出産を経験しました。日本では紙媒体の編集記者の他、ファミリーサポートセンターでの勤務経験もあり。今地球のどこかで、ちょっぴり孤独も感じつつ子育てに奮闘中の方へ、私の体験・失敗談を通して「1人じゃないよ」とエールを届けられたら嬉しいです。