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世にはびこるクソバイス①「定型発達児の親から、発達障がい児の親へ」

くまさんくまさん

これは私が日常生活でいただいた「クソバイス(※)」のお話です。
(※)エッセイストの犬山紙子(いぬやま かみこ)氏が命名した、クソみたいなアドバイスのこと。

想像力のない人はクソバイスをしやすい

子どもの育て方には正解がなく、一人ひとりそれぞれに個性があるのは重々承知ですが、定型発達児と発達障がい児の二人を育てる私にとって、定型発達児の子育ては、発達障がい児の子育てよりもはるかに楽です。
ですが世の中には、定型発達児しか育てたことがないのに
発達障がい児の親へアドバイスをしてくる人もいます。

私の場合は、義母(子ども3人)と義姉(子ども2人)です。
義実家に行くたびに毎回鬱陶しいくらいにクソバイスをしてきます。
本人たちはよかれと思ってしているようですが、私にとっては「だから、そんなことはとっくの昔にやってるんだよ!」ということの連続なのです。

実際に言われたクソバイス

ケース①学校から借りた本を貸出し期限内に返す方法

発達障がいのある娘は、学校で借りた本を期限内に返したことがありません。
というのも、借りたことをすぐに忘れてしまうのです。本を借りないように注意しても、その約束も忘れてしまうので親はお手上げ状態です。

そんな私に義姉からクソバイス
「本の返却期限が近づいたら返すように促してあげればいいのに〜」
「うちはいつもそうしてるよ」
「子どもなんだからこっちが導いてあげなきゃ〜」

定型発達児はそれで上手くいくのでしょうが、発達障がい児の場合はそう簡単にいきません(全てのお子さんに当てはまるわけではありません)。
そもそも本を借りた本人が返却期日を知らないのに、どうやってこちらが促すのか…。学校に問い合わせて聞いてもいいですが、勝手に本を借りてお道具箱やカバンのなかに放置しているので、なかなか上手くいきません。

ケース②宿題やプリントを提出する方法

我が家では、学校から配布されるプリントが私の手元に届くことはほとんどありません。なぜなら、娘はもらったプリントをお道具箱にぐちゃぐちゃに詰め込んでしまうからです。そのため、いつも持ち物を揃えられなかったり、先生に電話で確認したりします。

娘の学校では、連絡帳とプリントを入れるチャックつきのファイルが配布されていますが、そのファイルを持って行くのさえ忘れてしまいます。また、ファイルを持たせたとしても学校に忘れてくるか、ファイルには何も入れずに帰って来ます。宿題をやらせてランドセルに入れても提出するのを忘れてしまうので、こちらもお手上げ状態です。

そんな私に義母からクソバイス
「チャックつきのファイルがあれば忘れないから、これあげる!」
(持っていると言っても渡してくる…)
「毎日ランドセルの中身を確認するといいよ!」
「今の子は過保護なくらいがちょうどいいんだから〜」

ランドセルの中身を確認したところで何になるのだろう…。
「これだから定型発達児しか育てたことのない人は嫌なんだ…」といつも思ってしまいます。宿題をつきっきりでやる、ランドセルに入れるところまで見届ける、学校で提出するのを忘れる、終了です。
チャックつきファイル持たせる、ランドセルに入れる、何も入れずに帰ってくる、終了です。
先生方も娘に配慮してくれていますが、それでも無理なものは無理なんです。この問題を完璧に解決するには、私が娘と常に行動を共にしない限り難しいでしょう。

アドバイスは相手の立場に立って、求められてからする

そもそも発達障がい児の親は、普通に子育てをしていくなかで上手くいかないことや「あれ?」と思うことが多いからこそ、発達障がいの診断を受けようと考えるものです。
つまり、定型発達児の親が工夫していることなどは、すでにほとんど試している場合があります。それでも上手くいかないからこそ、専門機関や病院を受診しているのです。何かアドバイスを送りたくなったら、一度相手の立場になって考えてほしいものです。また、相手から意見を求められていない場合は、アドバイスなどはしないのが無難でしょう。

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くまさん

くまさん

東京都

東京在住のワーキングマザー。発達障がい(ADHD)のある中学生と、定型発達の保育園児、乳幼児の3姉妹を育てています。これまでに経験した、出産・結婚・離婚・再婚・ステップファミリーなど、さまざまな体験をもとに、記事を執筆していきます。

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