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産後、実家の母に手伝ってもらう時に気をつけたいこと

りんごりんご

韓国で出産した私は、産後調理院で2週間過ごしてから自宅に戻り、その後3週間、日本から母に手伝いに来てもらいました。途中でおっぱいトラブルが悪化し、胸に激痛が走って息子を抱けなくなってしまったため、いったん帰国した母にまた3週間お世話になる…という事態に。結局6週間、韓国で一緒に暮らす経験をしました。

実の親に助けてもらうことは、夫の親や他人に頼むより気楽な反面、親だからこそ気を遣うこともいろいろと出てきます。そこで今回は、日本人である私と母、韓国人である夫、そして生まれたばかりの息子と4人で暮らした日々の中で感じたこと、学んだことをお伝えしたいと思います。

1、親には1人になれる場所と時間を提供する

いくら娘の家と言っても、母にとっては馴染みのない環境です。しかも当時、外は極寒で、自由に歩き回ることもできず、ほとんど家で過ごさねばならない状況でした。ですので滞在中、母には部屋を1室自由に使ってもらうことにし、疲れた時や1人で過ごしたい時には、自分の部屋でゆっくりと休んでもらいました。

また「日本のニュースが見たい」というリクエストを受け、NHKワールドプレミアムに加入したり、ケーブルテレビで日本のドラマが見られる日時をチェックして伝えたりするなど、日本語に触れられる環境を整えました。

2、親の食生活に配慮する

毎日の食事は主に母が担当してくれましたが、なにせここは韓国。母にとっては慣れない環境で、持病による食事制限もあったため、韓国で買えないものや、母が必要だと思う食べ物や調味料は、できるだけ日本から持ってきてもらうようにしました。

また、わが家は夫が韓国人のため、母は最初、自分の料理が彼の口に合わないのではと心配していましたが、幸い、夫の方は特に問題なし。ただ、やはり「辛いものが食べたい」、「ニンニクをたくさん使った料理が食べたい」という様子の時は、私が1品作ったり、出前の世話になったり、夫だけ外食してもらったりして乗りきりました。

3、もしもの時のために病院をチェックしておく

母が飲んでいる薬がもしきれてしまったら、日本から送ってもらえるのか?韓国でも入手できるのか?身体の状態が悪くなってしまった場合、どこの病院に行けば良いのか…など、お互い事前に情報をよく調べ、何度も確認し合いました。わが家のように、海外在住で日本から家族に手伝いに来てもらう場合は、日本を経つ前に、海外旅行保険に加入しておいてもらうことも大切です。

4、家のルールやお願いごとは一番最初に説明する

ゴミの捨て方や、トイレ・浴室の使い方、洗濯物を洗う頻度や干し方・たたみ方、掃除のやり方など、家庭のルールがある場合は、最初にきちんと説明しておきます。説明しても慣れるまでは時間がかかるので、お互いにもどかしさやストレスを感じることもあるかもしれません。

例えばわが家では、水の節約のため、洗濯物はある程度たまってから洗うようにしていましたが、母は少量でもすぐ洗ってしまうので、朝起きたらすでに1回目の洗濯が終わっていたということもしばしば。これはもう癖というか習慣なので、ある程度は目をつぶり、文句を言うより「洗濯をしてもらえてありがたい」と感謝するように、気持ちを切り替えました。

また、子どもの世話に関しても「親世代のやり方とは違う」と感じる部分が出てきます。その時はいったん「お母さんの時はどうだったの?」と確認し、「今はこういう方法が推奨されているそうだよ」と伝え、一緒に話しながらわが家のやり方を確立していきました。

5、母と夫との関係に気を配る

母は韓国語ができず、夫は日本語ができないので、私がいないと2人の会話は成立しない状態だったのですが、1週間に1度は母に息抜きをしてもらうため、夫と二人で買い物に出かけてもらいました。

母には買いたいものを事前に書き出してもらい、その横に私が韓国語訳を書き、スーパーでは母がその紙を夫に見せながら買い物。幸い二人とも、簡単な英単語やジェスチャーで積極的にコミュニケーションをとろうとするタイプだったので、言葉が通じない状況ながらも楽しんで、買い物を終えることができたようです。

また、母と一緒に暮らすことになり、夫が窮屈な思いをしているのではと心配していましたが、「下着姿で家の中を歩き回れないこと」以外は特に不便を感じていなかったようでホッとしました。母の方も、夫が帰宅すると挨拶だけして自分の部屋で休み、夫が気を遣わなくていいように配慮してくれていたので、なんとか6週間、大きなトラブルもなく終えることができました。

今思い返すと、産後調理院から自宅に戻り、母が手伝いに来てくれるまでの4日間は、毎日緊張してオロオロし「これからちゃんと育てていけるだろうか?」という不安でいっぱいでした。ですので、母が韓国に来てくれた時の安堵感は今でも忘れることができません。また、母不在の6週間、日本で一人暮らしをしながら後方支援してくれた父にも感謝の気持ちでいっぱいです。

私はもし母に頼めなければ、韓国の「産後トウミ」という制度を利用してヘルパーさんに来てもらうつもりでした。「実の親に頼めなかった」という友人知人たちは、義両親、親戚、友人知人、市町村のヘルパー制度、民間の家政婦さんなど、産後に手助けしてくれる人や場所を事前に見つけ、出産に臨んでいました。

産後は必ず誰かの助けが必要です。今はコロナの影響で、里帰り出産をしたり、双方の親に手伝ってもらうことも厳しい状況かもしれませんが、どうかみなさん良き助っ人を得て、少しでも安心できる環境の中で赤ちゃんとの新生活が始められますように…!

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りんご

りんご

韓国

韓国在住、日韓ハーフ1歳児の母です。30代後半で国際結婚。新婚生活スタートと同時に子どもを授かり、異国の地で手探りの妊娠期間と高齢出産を経験しました。日本では紙媒体の編集記者の他、ファミリーサポートセンターでの勤務経験もあり。今地球のどこかで、ちょっぴり孤独も感じつつ子育てに奮闘中の方へ、私の体験・失敗談を通して「1人じゃないよ」とエールを届けられたら嬉しいです。