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テイクアウト注文を通した親子の学び

ひでくみひでくみ

コロナウィルスの影響で小学校の臨時休校が続いていた頃、私は普段の学校給食のありがたみを一層強く感じていました。毎日の食事の支度がストレスに感じることも。ある日私は、子どもたちにテイクアウトランチを提案。以前、たまに食事に行っていたお店のオムライスがとても美味しかったので、子どもたちにも食べてもらいたいと思ったのがきっかけです。

そのお店は、緊急事態宣言が出されてから、テイクアウトのみの営業と聞いていたので、子どもたちとお店のHPでメニューをチェック。事前の電話注文がお勧めと記載があり、支払い方法や受取時間などを確認して、子どもたちと作戦会議をしました。

①電話をかけ、注文をする
②取りに行く
③お金を払う

お昼ご飯を食べるには、三つのステップを踏まなければなりません。良い社会勉強だと思い、固定電話の使用を勧め、長男(小4)に任せてみることにしました。

子どもたちが固定電話から電話をかけるのは、祖父母とのやりとりがほとんど。家族以外との通話がきちんとできるのか、見ている親の方がドキドキしましたが、長男は問題なくクリア。合計金額と取りに行く時間をメモして私に渡してくれました。お店に取りに行くと、「お兄ちゃんが電話してくれたの?上手に注文出来て偉いね!」とおかずのサービスまでして頂き、皆で貴重な経験ができました。

半月ほど経ったある日、おやつにたい焼きを買って帰ろうとした時のこと。長男が率先してお店の人とやりとりをしてくれました。品物を受け取った長男の後ろに、今にも泣きだしそうな長女(小2)の姿が…。「私だって注文したい」と言うのです。話を聞いてみると、長男と同じように、自分もお店で注文して、受け取りまで一人でやってみたかった、とのこと。テイクアウトランチの時のことを思い出すと、「いつもお兄ちゃんだけ、ずるい!」という気持ちもあったのだと思います。

後日、長女の番がやってきました。一連の流れを一人でやってみたいというのですから、練習を含めて私はサポート役に徹し、同じお店にテイクアウトディナーをお願いすることにしました。夕飯を作らなくても良い、という気楽さと、長女にも社会勉強をさせる良い機会を作ることができ、一番楽しみだったのは私だったかもしれません。(笑)

私「電話がつながったら、最初に何ていうんだっけ?」
娘「えーと…。(沈黙)」

先が思いやられましたが、お店の人と、お客さん役を交代しながら、電話応対を何度も練習しました。たまに長男にもお店の人を演じてもらったりして、ロールプレイも楽しみました。本番では練習での成果を発揮!店頭での受け取り、支払いもスムーズにできましたが、娘は不愛想…。帰り道、自転車をこぎ出したら、次の瞬間長女は後部座席で気持ちよさそうに寝てしまったのです。しばらく起きませんでした。(笑)後で聞いたら、緊張しすぎて疲れたとのことでした。よっぽど緊張したのですね!
夫が帰宅し、娘は開口一番に、「パパ!今日は私がご飯注文したの!!」とそれはそれは誇らしげに報告。私にもできた、という自信にあふれた娘の姿に母としても成長を感じた一コマでした。

今回、身近な社会勉強を通して、子どもたちの成長や、下の子ならではの葛藤(?)も知ることができ、親としての気づきが多くありました。コロナ禍という、これまで経験したことのない状況下にありますが、いつもと違う環境だからこそ発見できることも多いと思います。今しかできないこと、今の子どもたちの成長の姿をしっかり目にやきつけて、親としても更に成長していきたいと思いました。

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ひでくみ

ひでくみ

東京都

東京都在住。二児の母です。結婚を機に、夫から小学校教諭の免許取得を勧められ、5年がかりで取得。初めての出産・育児も、2人目との2歳差育児に奮闘しながら学び抜いた経験は宝物!子どもたちと一緒に、生活の中で楽しく学ぶヒントや、子どもの自己肯定感を高める声がけの工夫などもご紹介します。