• pre プレママ・パパ
  • learn 学ぶ

どこで産む?悩んだ末の海外出産

りんごりんご

アンニョンハセヨ!韓国で日韓ハーフ1歳男児を子育て中のりんごです。今回は妊娠初期に悩んだ産婦人科選びや、「どこで産む?」という問題について私の体験を元にお伝えしたいと思います。

国際結婚を機に韓国へ移住し、新婚生活がスタートしてまだ2か月の頃。生理が2週間遅れ、甘酸っぱい韓国冷麺やグレープフルーツジュースがいつも以上においしく感じられたのがきっかけで、妊娠検査薬を買いに走りました。結果は陽性。早く病院で検査を受けないと…と思ってすぐ、私は最初のハードルにつまづきます。「さて、一体どこの産婦人科に行けばいいんだろう?」と。

家から車で30分圏内にある産婦人科をネットで探してみましたが、病院の評判が良いかどうかまでは調べきることができませんでした。そこで、隣町に住む夫の知人に尋ねたところ、「このあたりではA病院とB病院が有名ですが、B病院は看護師の採用募集が頻繁に出ています。参考にしてくださいね」とのお返事が。

A病院のホームページを見ると、無痛分娩や帝王切開率の高い韓国では珍しく、自然分娩を推奨しており、女医さんもいるということがわかったので、まずはA病院へ行ってみることにしました。

診察を受け、心音が確認できた後、先生から「韓国と日本、どちらで産みますか?」と尋ねられました。その時はまだ出産のことまで考えられていませんでしたが、私はとっさに「韓国で産みます」と一言。初産かつ高齢出産のため、本当は母国の日本で出産したい気持ちもありましたが、赤ちゃんと私たち夫婦のこれからのことを考えると、韓国で産んだ方が良いような気がしたんですね。

韓国での出産を決意した理由

もし日本で産むとなると、出産予定日の1か月前までには帰国し、産後も私の体調回復と赤ちゃんの感染症予防等のため、最低1か月以上は身動きがとれないだろうと考えました。

また、韓国に戻る際は、生まれて間もない赤ちゃんを連れバスや飛行機で長距離移動することになる上、日本で買いそろえたベビー用品を韓国へ送ったり持ち帰ったりする労力や手間がかかってしまいます。

さらに、夫は自営業で日曜しか休みがなかったため、子どもが生まれてもすぐ日本に飛んでくることができず、産前産後の数か月間は家族がずっと離れて暮らさねばならない状況に…。

韓国人である夫と、日本人である私。ただでさえ夫婦として過ごした時間が少なく、言葉も文化も違う者同士で密なコミュニケーションが必要なのに、子育てのスタートが離ればなれで良いのだろうか?産前産後の喜びや苦労を一緒に乗り越えた方が、私たち家族の絆は深まるんじゃないだろうか?考えれば考えるほど、その気持ちが大きくなっていきました。

ただ、韓国で出産する場合、産後の家事と育児をどうするかという心配がありました。調べてみると、韓国には産後の母体回復と新生児の育児をサポートしてくれる「産後調理院」という施設があり、多くの妊婦さんが1~2週間利用していました。

また保健所で、家事や育児を手伝いに来てもらえる「産後トウミ」という制度があることも知りました。実家の母も2~3週間なら手伝いにいけるよ、と申し出てくれたので、それならなんとか乗り切れるかもと思い、韓国で出産することにしたのです。

当時を振り返って今思うこと

韓国での出産に後悔はありませんが、産婦人科選びはもう少し入念に行っていればよかった、という反省があります。というのも、妊娠中期に通っていた保健所の出産準備教室で、A病院で私の担当だった女医さんが、数年前に医療事故を起こしていたと偶然知ることになったからです。

私は女医さんの診察に特に不満はなかったのでそのまま通い続けましたが、産婦人科を決める前に事故のことを知っていたら、最初から他の病院へ行っていたと思います。

また、出産直前に知り合った韓国人ママさんから、A病院よりもっと家から近いところに、評判の良い産婦人科と産後調理院があることを教えてもらう、という出来事もありました。出産後、産後調理院で知り合った韓国人ママたちからも、「あそこの病院は腕のいい先生がいる」など地域の産婦人科情報をいろいろ聞く機会があり、やはり口コミの力は大きいなと実感したのでした。

出産を控えた妊婦さんへ

最近、新型コロナウイルスの影響で立ち合い出産が禁止になったり、里帰り出産を断られたりして困っている妊婦さんが多いというニュースを目にしました。私自身、夫も誰もいない中、海外でひとりぼっちの初出産を経験したので、妊婦さんたちの心細い気持ちが、今深く身に染みています。

出産時の話はまたの機会にお伝えしますが、私の孤独と不安な気持ちとは裏腹に、身体は産み方をちゃんと知っていて、息子も元気に生まれてきてくれました。分娩台の上でできることは、自分と赤ちゃんをただ信じるのみ!これから出産される妊婦さんたちの安産を韓国よりお祈りしています。

この記事にいいね!

りんご

りんご

韓国

韓国在住、日韓ハーフ1歳児の母です。30代後半で国際結婚。新婚生活スタートと同時に子どもを授かり、異国の地で手探りの妊娠期間と高齢出産を経験しました。日本では紙媒体の編集記者の他、ファミリーサポートセンターでの勤務経験もあり。今地球のどこかで、ちょっぴり孤独も感じつつ子育てに奮闘中の方へ、私の体験・失敗談を通して「1人じゃないよ」とエールを届けられたら嬉しいです。