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忙しい時に便利な「無洗米」味は?栄養は?通常のお米とどう違う?

tomotomo

最近スーパーに行くと、
「無洗米」と書かれたお米をよく目にするようになった、という事はありませんか?
ご飯を炊く前にお米を水で洗う(研ぐ)必要が無いので時短になり、
既に利用されている方もいらっしゃるのではないかと思います。
何故洗わなくていいんだろう?
そもそも「無洗米」って何?
など知っているようで知らないという方は、
是非今日の記事を読んでお米の事をもっと知って頂ければと思います!

便利な「無洗米」でも…無洗米って何?

通常、田んぼで収穫されたお米には最初もみ殻と呼ばれる茶色い殻が付いています。
その後脱穀作業を経て玄米になるわけですが、そこから「精米」する度合いによって、
実はそれだけでいくつかの種類に分類されています。

玄米…もみ殻を取っただけの状態。
周りはヌカ層に覆われていますが、このヌカにビタミン・ミネラル・食物繊維等が豊富に含まれています。
栄養価は一番高いのですが、繊維質なので消化器官の弱い乳幼児や高齢者には向きません。

分搗き米(3分搗き、5分搗き、7分搗き等)…精米機でヌカ層を外側から少しずつ削っていったもの。
数字の低い方が精米度は低く玄米に近いので栄養源が残ります。数字が上がるにつれて白米に近づきます。

胚芽米(金芽米)…「胚芽」と呼ばれる「芽」が出る部分だけを残したもの。
胚芽には食物繊維はもちろん、その他にGABA、ビタミンB1やB2、ビタミンE等の栄養がギュッと詰まっていて、
胚芽以外の部分はヌカ層が除去された白米の状態です。

白米…ヌカ層や胚芽部分を全て削り取ったもの。もちもちとした食感で甘味があるのが特徴。
一般的にスーパー等で販売されているのはこの状態のものです。

無洗米…白米の状態でも取り切れていない、
精米時に出来た溝や表面に付いたヌカも全て残らないように完全に除去した状態のもの。

普段私達が白米の時にやっている「お米を研ぐ」という作業は、
つまりこの「残ったヌカ(肌ヌカ)」を洗い落す作業なんですね。
なので、既にそう言ったヌカを完全に除去した無洗米では洗米作業を省略できるということです。
もし汚れなどが気になるという方は炊く前にサッとすすぐ程度でOK。

ちなみに栄養があるからと言って、白米を洗米せず肌ヌカを残したままの状態で炊飯すると、
独特のヌカ臭さが残ってしまいます。白米の場合は必ず洗米して肌ヌカを洗い落としましょう。
ベストは3~4回ほど研いで白濁した水が半透明になった状態での炊飯です。

無洗米の栄養は?味は?

栄養:さて、お米の栄養はほとんどヌカ層の部分にあるのが分かりますよね。
という事は、無洗米は洗米作業不要という便利さはあるものの、
栄養面においてビタミン・ミネラル・食物繊維等はほとんど残っていないことになります。
ただ一般的な白米と比べた場合では、結局は白米も水洗いしてヌカを落としてしまうので、
白米も無洗米も残った栄養分に大きく変わりはありません。

味:無洗米だからと言って美味しくないという事はありませんが、
厳密にいえば、肌ヌカと呼ばれる細かいヌカですら残さないよう過度に精米している為、
お米の表面に多く存在する旨味成分までダメージを受けている可能性があります。
質より量を重視するのなら無洗米でも十分美味しく食べて頂けますが、
お米の大きな粒感や甘みが好きという方には白米の方が良いかもしれません。

炊き方:洗米作業が無いのでお米自体はとても乾いた状態です。
また粒が小さい分同じ計量カップ一杯でも白米より多い量が入ることになります。
その為吸水時間をしっかりめに確保するか、少し多めの水で炊いた方がパサつかずふっくらと仕上がりますよ。

何を重視するかでお米を選ぼう!

無洗米は、洗米時の水や時間を節約できる分、忙しい時や非常時にも良いですね。
ただ美味しさを重視するのであれば、
やはりお米本来の味や香りを楽しめる白米が良いのではないかと思います。
また栄養価を重視する場合は玄米や分搗き米(3分搗き、5分搗き)辺りが良いでしょう。
この分搗き米はスーパーでは見慣れないと思いますが、
お米屋さんや無人のコイン精米機では好みに合わせての精米が可能です。
ただし、最初にお伝えしたようにこれらは繊維が多いので消化器官の未熟な乳幼児や高齢者には向きません。

最後に、栄養も美味しさもどっちも取りたい!という方には「胚芽米」や「7分(or8分)搗き米」がお勧めです。
胚芽米は栄養を残しつつお米の味や柔らかさも感じられて良いところどりですし、
7分(8分)搗きも同様に、うっすらとヌカ層を残しているので、
その部分に栄養が残り、食感や見た目もほとんど白米と変わりありません。

まとめ:迷ったらお米屋さんを利用してみても

実は私は5年ほどお米専門店で仕事をしていました。
中には「このお米が好きで」とか「無農薬のお米で」とこだわりの強い方もいらっしゃいますが、
多くは「普段何気なくお米を食べているから好みとか分からないんだけど…」というお客様です。

専門店の良いところはお米の種類が豊富にあり、
お客様の好みに合わせて自由に精米して仕上げることが出来ます。
量り売りをしている所では、1,2kgで試してみるのも良いですね。
お米の精米度合いもそうですが、
そもそもお米の銘柄って、実は日本に何百種類もあるのをご存知でしょうか?
コシヒカリ、つや姫、ヒノヒカリ、ゆめぴりか、ササニシキにミルキークイーン…
雪深い地域や気候の暖かい地域、各地域の風土や流れる水によって、お米の味や食感は全然違うんです。
「うちはみんなお肉が好きで」とか「冷めても美味しいお米があれば…」とか
「硬めが好き」「柔らかめが好き」「甘みの強いお米が好き」など好みを言って相談すれば、
どんなお米が合うかきっとアドバイスして貰えると思いますよ。

無洗米で他の銘柄を試してみても良いですし、この機会に色んな精米方法や銘柄を試してみたり、
せっかく日本のご飯を美味しく食べるのであれば、
是非ご家庭に合ったお米を選んで楽しんでもらえたらと思います!
忙しいワーママさんも多いので、ニーズに合わせて無洗米が沢山出てきましたが、
私個人としては、数十秒の洗米時間と水を節約するよりは、
特にお子様が小さいうちは白米の美味しさを第一に感じて欲しいなと思っています。
 

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tomo

tomo

大阪府

大阪在住、お調子者で最高に甘えん坊の3歳男児育児に日々悩まされながら、第二子となる子供を妊娠中の30代主婦です。食育スペシャリスト、食生活アドバイザー、健康リズムカウンセラーの資格を持っているので、食の観点からのお役立ち情報や日々の育児奮闘紀を読んで頂けたら幸いです。