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喘息持ちの帝王切開② ~手術当日から退院までの痛みについて~

いなみいなみ

「喘息持ちの帝王切開① ~硬膜外麻酔・痛み止めはどうなる?~」では、持病により、硬膜外麻酔の使用や痛み止めの種類・量など、色々と制約があったことを書きました。
今回は、私の手術当日から退院までの様子と痛みについて、書いていきたいと思います。

帝王切開当日、術部の痛みと後陣痛

午後4時頃、手術が無事終了。
術後すぐは痛みもありませんでしたが、徐々に痛くなり、夜には我慢できない激痛に…。痛みで震え歯がカチカチと音を立てて、全身汗びっしょり!身動き一つできずに朝を迎えました。我慢できずに痛み止めの注射もしてもらいましたが、結局痛みで眠れませんでした。

術後の痛みと後陣痛には個人差もあるようですが、切り開いて縫い合わせた子宮が、術後の出血を早く止める為に投与する子宮収縮剤により、急激に収縮して元の大きさに戻ろうとするのですから、想像を絶する痛み…(泣)。硬膜外麻酔のスイッチを押すと、背中に刺したカテーテルからお薬が注入されるはずですが、制限もあり、いくらでもお薬が出てくるわけではありません…。

術後1日目。喘息の為、硬膜外麻酔は最低限の使用に

朝、尿管と硬膜外麻酔を外す。歩行練習で術後初めてのトイレへ。
電動ベッドですら痛くて少しも身動き取れない状態なのに、歩くなんて無理…!看護師さんが鬼のように思えました。(看護師さんごめんなさい!)

・血栓ができると命に関わるので、翌日から歩行を開始する。
・切迫早産入院で長期間寝たきりの為、血栓が通常より更にできやすい状態で危険。
・早期離床して歩くことで子宮の戻りと悪露の排出を促し、早期回復につながる。また、その他合併症予防の為。

ということを何度も言われていましたが、もう絶望的な気持ちでした。
それでも、病室に赤ちゃんを連れて来て、「赤ちゃんが見てるから頑張って~!」などと励まされ、介助してもらいながらなんとか立ち上がり、大量の脂汗を流して痛みで気が遠くなりそうになりながら、30分程かけてトイレに行ったと思います。

嬉しかったのは、初めての授乳。手術中は赤ちゃんをチラッと見せてもらっただけなので、ちゃんとしたご対面はこの時が初めて。すごく痛かったけれど、すごく幸せでした。小さくて可愛くてあったかくて、涙がじわっと溢れてきました。

午後、手術後の部屋から通常の病室にお引越し。
どうやって起き上がったらいいのか…。一人途方に暮れ、トイレまでの僅かな距離があまりにも遠く、何度も「もう間に合わない…!」と半泣きでした。(何度かナースコールして、助けてもらいました。)

あまりの辛さに、県外の母に泣いて電話しました。喘息の為弱い痛み止めしか飲めず、この日もあまり眠れませんでした。

術後2日目、母子同室がスタート

午前中、母が仕事を休んで特急に乗り、駆け付けてくれました。5人の子供を産み、3度の帝王切開で命の危機を経験した母。そんな肝っ玉母ちゃんの存在は本当に心強かったです。(しかも、母の時は硬膜外麻酔なしだったそうです。)
夜中もいやな顔一つせず娘のトイレに付き添い、お世話をしてくれて、本当に母の愛が身に沁みました。
母の助けもあり、この日から母子同室で赤ちゃんと過ごすことができました。

術後3日目、我が子の存在が大きな励みに

一人でもトイレに行けるよう、壁やイスなどにつかまりながら、必死で歩く練習をしました。どうしたらお腹に力がかからず動けるか、試行錯誤を繰り返し、まだまだトイレに20分ぐらいかかるし、呼吸も忘れる程の激痛。とにかく呼吸をしなきゃと思って、何故だか、ラマーズ法の「ヒッ、ヒッ、フー」と言いながら歩いていたことは、今となっては笑い話です(笑)。
母は仕事で帰る直前まで、色々と助けてくれて、有難くて泣きそうでした。

一人になってからは、おむつ替えや授乳など、赤ちゃんのお世話をすることで、痛みに耐えました。前日よりは、安静時の痛みがほんの少し改善されてきたような気がしました。

術後4日目以降、日毎に回復

一日一日と、少しずつ痛みが良くなってきて、赤ちゃんの着替えやタオルを取りに行ったり、授乳後の計量や、赤ちゃんが夜泣きした時は抱っこして歩いたり、徐々に歩ける範囲が広がり、術後8日目で無事退院しました。痛み止めを飲めば、安静時の痛みは随分良くなりましたが、動いた時や腹圧がかかった時は痛むので、退院後もしばらく痛み止めの服用を継続していました。

後陣痛や術後の痛みにはそれぞれ個人差があります。
喘息の病状や医師の判断によっても、麻酔や術後のお薬の内容が変わってくると思います。可能な範囲内で痛み止めなども使いながら、睡眠や食事をとれるようにし、退院後の育児に向け、体の回復を優先することが大事だと思います。

日本の分娩の約20%が帝王切開で行われているという時代になりましたが、今でも時折、周囲の人から「帝王切開は楽」などと言われてしまうこともあるかもしれません。
普通分娩でも帝王切開でも、お腹を痛めて産んだことに変わりありません。
闘い抜いた自分に、胸を張って、いっぱい褒めてあげましょう!!

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いなみ

いなみ

滋賀県

滋賀県在住、33歳。元気いっぱい3歳男子と、ほぼ二人暮らし。 年齢の割に昭和感満載の、民謡歌手&シンガーソングライター主婦です。 出産後も音楽活動を続けながら、初めての育児に奮闘中! 妊娠・出産・子育ては、思い描いていたよりずっと大変で、毎日がわんぱく怪獣との闘いですが、一緒にたくさん遊んで、モリモリ食べて、そして歌って、楽しく過ごしたいです! のんびり、ゆったり、子育て世代のお母さん、お父さんに、エールを送ります!