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ニンニクと夫がNGに!韓国で涙のつわり生活

りんごりんご

結婚を機に住み慣れた場所を離れ、新しい土地で新婚生活をスタートする方って多いですよね。私もその1人でした。土地勘もなく、身近に頼れる親や友人知人もいない。「さあ、これからいろいろ開拓するぞ」という時に、突然子どもを授かったとしたら…。

妊娠発覚まで

私は30代後半で年上の韓国人男性と知り合い、出会って1年未満で結婚し、韓国に移住しました。過去に1年間韓国へ語学留学した時は、交通の便が良いソウルの中心地に住んでいましたが、結婚後は中心地から地下鉄やバスを乗り継いで1時間以上かかるソウル近郊での暮らしに。田畑の残る田舎町で、車の運転免許も自転車もなく、韓国在住の友人知人はみんな遠方に住んでいて、夫以外頼れる人もいない。そんな「ないないづくし」の新婚生活2か月目に妊娠が発覚しました。

つわりの始まり

「こんなに早く子どもを授かれるなんて…!」と夫婦で喜んだのも束の間。妊娠6週目のある日、突然ニンニクのにおいがダメになってしまったのです。冷蔵庫には義母の手作りキムチが大量に入っていたため、両鼻にティッシュを詰め、マスクを2重にして息を止めてでないと、開けられなくなりました。それでも家中に充満しているように感じるニンニクのにおい。逃げたくても逃げ場がありません。

「キムチを処分してほしい」と泣いて頼んだものの、義母が苦労して漬けたキムチを手放すことができなかった夫は、入れ物をビニールで2重に包み、家でも外でもしばらくキムチは食べないと宣言。しかし、韓国料理はキムチ以外にもニンニクがたっぷり使われているわけで…。毎日外食してくる夫が発するにおいにも耐えられなくなり、私は終日1人で寝室に引きこもるようになりました。

そんな調子なので料理はほぼできず、韓国の加工品やインスタント食品も身体が受け付けなくなっていました。近隣からはニンニク臭が漂ってくるため窓も開けられず、においが怖くて買い物にも行けません。このままではまずいと、私は日本の家族にSOSを出し、お湯をかけるだけで食べられるフリーズドライの雑炊やパスタ、カップラーメンや春雨スープ、パスタソース、梅干しなどを送ってもらうことにしました。

荷物が届くまでの間は、夫にパンや果物、豆乳やクラッカーを買っておいてもらい、お腹が空いて吐き気がする前に少しずつ食べる、の繰り返し。日本からの救援物資が届いた時は、嬉しさのあまり写真を撮りました。送ってくれた家族はもちろん、お湯をかけるだけで食べられる食品を開発してくださったみなさんには、今でも感謝の気持ちでいっぱいです。結局、つわりは2か月間続きましたが、徐々に豚カツやピザなど食べられるものも増え、簡単な和食なら作れるようになり、ある朝、何のにおいも気にならないことに気づいて突然終わりを迎えました。

「ニンニクのない世界に行きたい」と泣きながら、布団の中で携帯を握りしめ、「つわり いつ終わる」と検索し続けた日々は気の遠くなるような時間でしたが、あの時私を強く励ましてくれたのは、世界各国に暮らす日本人女性のつわり体験記でした。書き残してくれたみなさん、本当にありがとう!

今つわりで苦しんでいる妊婦さん、あなたは決して1人じゃありません。いつか必ず終わりが来ます。だからどうか安心してくださいね。私は今、生のニンニクだってモリモリ食べられるようになりましたから…!

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りんご

りんご

韓国

韓国在住、日韓ハーフ1歳児の母です。30代後半で国際結婚。新婚生活スタートと同時に子どもを授かり、異国の地で手探りの妊娠期間と高齢出産を経験しました。日本では紙媒体の編集記者の他、ファミリーサポートセンターでの勤務経験もあり。今地球のどこかで、ちょっぴり孤独も感じつつ子育てに奮闘中の方へ、私の体験・失敗談を通して「1人じゃないよ」とエールを届けられたら嬉しいです。