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妊娠中、夫にしてもらいたかったこと~産後クライシスを防ぐために~

りんごりんご

アンニョンハセヨ!韓国で日韓ハーフ1歳男児を子育て中のりんごです。最近少し落ち着いてきましたが、わが家では、息子が1歳の誕生日を迎える前から急に夫婦喧嘩が増えてしまいました。

出産後、夫婦仲が急速に悪くなる「産後クライシス(危機)」に悩む人がいる、とは知っていましたが、私たちもこのままでは危ないと真剣に悩んだ時期があります。そんな時期を経て、今思うこととは?

産後の喧嘩はこうして始まった

喧嘩の多くは、私が風邪をひいていたり、夫が腰を痛めていたり…など、大抵お互いの体調が良くない時に勃発しました。

例えば私が風邪で寝込んでいる時、朝、夫が先に起きて息子のおむつを替え、ごはんを食べさせてくれたら私は1時間ほどベッドで休めるわけですが、夫も体調が悪いとなるとなかなか起きてはくれません。お腹を空かせた息子は横で泣き叫び、1秒も待ってはくれないので、結局私が身体にムチ打って動くことに…。

そういうことが積み重なると「どうして私ばっかり」という気持ちになってしまう上に、妊娠中から少しずつ感じていた夫への不満まで思い出され、怒りが数倍に膨れ上がってしまうんですよね。

「お腹が大きい時、私はかがむのも辛いのに、あなたは一度しかお風呂掃除をしてくれなかった」とか、「真夏の暑い日に私が汗を流しながら料理をしていても、ひと言も気遣うことなく、自分だけ扇風機の前で寝転んで涼んでいた」という風に。

他人から見たら「なんだ、そんなこと」と思えるささいなことですが、お腹の中に命を宿している妊婦にとっては、日常生活そのものが不自由になり、妊娠前のようにできないもどかしさに苦しんでいることが多いわけです。

でも、夫にはその苦労がよくわからない。仕方ないとは思いつつ、「どうして言わなきゃわからないんだろう?言ってもやってくれないんだろう?」と悲しくなることが何度かありました。

こんな風に妊娠中から積み重なった夫への不満が、産後の育児疲れがピークに達した時、大きな怒りとなって爆発してしまう…。私たち夫婦が「産後クライシス」に陥りかけた原因の1つは、まさにこれだったと思います。

妊娠中、夫にしてもらいたかったこととは?

では妊娠中に、夫がどんな風に接してくれていたら私の不満は膨れ上がらずにすんだのでしょうか?喧嘩するたびに私が夫へ訴えていたことは、次のような内容でした。

1、家事や出産準備をもっと一緒にやってほしかった

臨月が近づくと新生児を迎える準備をするため家をきれいにしたいと思う一方で、お腹が膨らんで動きづらくなったので、床掃除やお風呂掃除などを率先してやってほしかったです。また、病院選びや出産準備なども韓国語がおぼつかない妻任せにせず、もっと積極的に調べたり動いたりしてくれたら助かったのにな、と。

2、体調を気遣ってほしかった

お腹が大きくなってきた時期はちょうど真夏。当時は毎日夫の職場のスタッフたちの分までご飯を作らなければいけなかったので、午前中何時間も立ちっぱなしで料理をしていました。汗は滝のように流れ、足は象のようにむくみ、火を使えば使うほど体力が消耗され…。夏の台所仕事は、妊婦にとって想像以上に過酷です。しかし、夫は私がそれを伝えるまで、まったくその辛さに気づいていませんでした。あの時、体調を気遣うひと言を言ってくれていたら良かったのになと、今でも時々残念に思います。

3、不安を共有してほしかった

私の場合、韓国で出産予定だったので、夫が勤務中に産気づくと、誰も付き添いがいない中、一人で子どもを産むことになる恐れがありました。実際その通りになってしまったわけですが、産前夫は「なんとかなるだろう」と終始楽観的。あの時もう少し不安を共有し、解決策を一緒にひねり出そうという姿勢を見せてほしかったなあ、と思えてなりません。

余談ですが、韓国では妊娠中の妻をお姫様のように扱う夫たちがいる、という話をよく耳にします。例えば夜中でも、妻が「あれを食べたい」と言えばすぐ買いに行き、「足がむくんだ」と言えば毎日のようにマッサージをしてあげる、というように。実際どれだけの男性がお姫様扱いを実践しているかはわかりませんが、そんな話を真に受けてわが家との違いに驚き、自分が哀れに思えたり、悲しくなったりしたこともしばしば…。

書き出すときりがありませんが、一番の問題は「これらの不満について、妊娠中に夫と深く話し合い、解決することができていなかった」ということでしょう。当時は、お腹の子どもに悪影響を与えたくないがために、怒りや悲しみを表に出さないように努めていたのです。

でも、産後子どもの前で夫婦喧嘩をしてしまうくらいなら、むしろお腹の中にいた時に、多少怒りながらでも、ちゃんと話し合っていた方が良かったのかもしれません。

話し合いを重ね、危機が絆に変わっていく

産後、喧嘩をするたびに学んだことは「体調が悪い時は喧嘩になりやすいので、話し合うのは元気になってから」ということでした。また、不満はため込まず、お互いのコンディションが良い時に伝えあうこと。家事や子育てや仕事など、お互いに「やって当たり前」とは思わず、「ありがとう」とまめに表現し合うこと。

どれもささいなことですが、これらを実践し始めてから夫婦の「危機」が「絆」に変わってきた…今、そんな気がしています。

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りんご

りんご

韓国

韓国在住、日韓ハーフ1歳児の母です。30代後半で国際結婚。新婚生活スタートと同時に子どもを授かり、異国の地で手探りの妊娠期間と高齢出産を経験しました。日本では紙媒体の編集記者の他、ファミリーサポートセンターでの勤務経験もあり。今地球のどこかで、ちょっぴり孤独も感じつつ子育てに奮闘中の方へ、私の体験・失敗談を通して「1人じゃないよ」とエールを届けられたら嬉しいです。