HSC って、何？

突然ですが、HSC って聞いたことありますか？

HSC、正式には Highly Sensitive Child（ハイリー・センシティブ・チャイルド）と言います。
直訳すれば「高度に敏感な子供」。そう聞くと、何となくイメージが沸きますか？
「深く物事を処理することが出来」、「過剰に刺激を受けやすく」、「全体的に感情の反応が高くて、特に共感力が高い」、「些細な刺激に察知する」、人一倍敏感な子のことを指します。

この HSC という言葉が日本で知られるようになったのは、ほんの 2 年前だそうです。
私自身も、つい最近知った言葉です。ただ、HSC に出会う前に、HSP は耳にしていました。
HSP、Highly Sensitive Person（ハイリー・センシティブ・パーソン）。HSC の大人版です。
お笑いコンビ ロンドンブーツの敦さんが、ご自身が HSP であることをテレビでお話しされていて、そこで初めて HSP という言葉に出会いました。

HSC は、よくある気質
HSC にしろ、HSP にしろ、それらは、病気ではありません。発達障がいとも違います。
今の日本では、専門医に診てもらい診断がおりるというものでは無いようです。
活発な子がいる、飽きっぽい子がいる、粘り強い子がいる、泣き虫な子がいる、というのと同じように、HSC の子がいる。HSC は特別な何かではなく、単なる人間の気質に過ぎないということです。

HSC かどうか知るためのチェックリスト

ここで、アメリカの心理学者、エレイン・N・アーロン博士が提唱する、HSC かどうか知るためのチェックリストを載せます。
１．『すぐにビックリする』
２．『服の布地がチクチクしたり、靴下の縫い目や服のラベルが肌に当たったりするのを嫌がる』
３．『驚かされるのが苦手である』
４．『しつけは、強い罰よりも、優しい注意のほうが効果がある』
５．『親の心を読む』
６．『年齢の割に難しい言葉を使う』
７．『いつもと違う臭いに気付く』
８．『ユーモアのセンスがある』
９．『直感力に優れている』
１０．『興奮した後は、なかなか寝付けない』
１１．『大きな変化に上手く適応できない』
１２．『沢山のことを質問する』
１３．『服が濡れたり、砂がついたりするのを嫌がる』
１４．『完璧主義である』
１５．『誰かが辛い思いをしていることに気が付く』
１６．『静かに遊ぶことを好む』
１７．『こちらが考えさせられるような深い質問をする』
１８．『痛みに敏感である』
１９．『うるさい場所を嫌がる』
２０．『物の移動や人の外見の変化など、細かいことに気が付く』
２１．『石橋を叩いて渡る』
２２．『人前で発表する時には、知っている人だけのほうが上手くいく』
２３．『物事を深く考える』

この 23 個のうち、13 個以上に当てはまる場合、HSC である可能性が高いそうです。
しかし、13 個当てはまらないから HSC では無いという話でもなく、チェックリストは、あくまで 1 つの目安です。
HSC 自体は実は 5 人に 1 人いると言われるほど、けっして特別な気質ではありません。

HSC は悪いこと？

さて、私もそうだったのですが、HSC の子を持つパパママは、「この子は繊細で生き辛そうだし、社会適応能力が低いかもしれない…」と感じている人が多いのではないでしょうか？
確かに、生き辛いか否かでいけば、繊細な人間より鈍感な人間の方が生きやすいかもしれません。
昨今、鈍感力なる言葉も生まれているくらいです。
気付かない方が楽なこと、平穏でいられることが多いのは否定できません。

しかし、今の便利な世の中は、間違いなく人間の「気付き」によって出来ています。
HSC は、その気付きが細やかです。であるがゆえに、大人になって、その気質を活かし、社会で活躍できる可能性が大いにあるということです。
HSC は我が子の将来を支える恵まれた才能になりえるということです。

HSC の子供を持ったパパママへ

HSC のことは、私自身もまだ深く理解しているとは言えません。
しかし、私は「我が子はHSC なのかもしれない」と分かったことで、息子との向き合い方に道しるべが出来たようで、とても救われました。
よくある気質の 1 つなのだと知り、自分の子育てが息子に悪影響を与えたのではないと分かって、自分を責めることも無くなりました。
この繊細さを強みに出来る子に育ててあげられれば良いだけだと、自分の中で答えが見付かり、ホッとしたのです。
程度の差はあれ、5 人に 1 人と言われる HSC。
きっと、私のように、HSC という言葉に辿り着くまで、我が子に何が起きているのか分からず、どうしてあげるのが正解なのか悩んでいるパパママが沢山いるのではないでしょうか？
そんなパパママに少しでも私の話が役に立ちますように！

【参考】
「子どもの敏感さに困ったら読む本 児童精神科医が教える HSC との関わり方」長沼睦雄著