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世にはびこるクソバイス②「子育て経験のない保育士から、子育て中の親へ」

くまさんくまさん

今回の「クソバイス(※)」は、子育て経験のない保育士さんからいただいたものです。
(※)エッセイストの犬山紙子(いぬやま かみこ)氏が命名した、クソみたいなアドバイスのこと。

子育て経験のない保育士からのクソバイス

私の友人に子育て経験のない保育士(以下Aさん)がいます。Aさんは中学時代の同級生で、30代の独身です。そんなAさんを含む、中学時代の同級生4人が久しぶりに集まって食事をしたときのことでした…。

その日集まったメンバーは、4人のうちAさんを除く全員が既婚者で、そのうち私を含めた2人が子持ちでした。子持ちの友人は1歳児の育児真っ只中で、12歳と2歳児を育てる私に子育ての悩みを色々と聞きたい様子。
ですが何かとAさんが入ってきて話の腰を折るのです。
そして終いには「子育てのことなら私に任せて!」と自信満々に言い放ち、
意気揚々とクソバイスを始めました。

Aさんが言ったこととは…

友人は、忙しいときに子どもに話しかけられたり邪魔されたりすると、ついイライラしてしまうことに悩んでいました。特に朝時間がないときに駄々をこねられると、身支度している時間もないと言います。

そんな友人にAさんからクソバイス
「ママがイライラすると子どもにも感情が伝わってかわいそうだよ」
「駄々をこねる理由をちゃんと聞いてあげれば、そんなことにはならないよ」
「子どもとの時間をたくさん共有することが大切だよ〜」

友人は苦笑い、私は言葉も出ませんでした(笑)。
保育士というのは実に尊いお仕事です。一人の保育士さんによって、どれだけのパパママが支えられているかは、計り知れません。けれども、Aさんは睡眠時間や自分の時間をしっかり確保した上で、日中体調のよい子どもだけを対象にお世話しているはずです。また、対価として給与をもらっています。

それに比べて母親というのは、子育てが生活の一部で、トイレは自由に行けず、身支度もままならないことが多いわけで…。
友人からするとAさんの発言は、ムッとする内容だったようです。
これが子育て経験者からの言葉であれば、少しは捉え方も変わったかもしれませんが「駄々をこねる理由をちゃんと聞いてあげれば」という発言には「子育てしたことないから分からないんだろうな…」と思わざるを得ませんでした。

アドバイスとクソバイスは紙一重


アドバイスとクソバイスは紙一重です(単に内容がクソなものはクソバイスです)。
たとえアドバイスの内容が同じであっても、する人の立場とされる側の立場、関係性などによっては、アドバイスがクソバイスになることもあります。アドバイスは「相手の立場をよく理解した上で、求められた場合にのみする」のが大切だと、改めて実感させられました。

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くまさん

くまさん

東京都

東京在住のワーキングマザー。発達障がい(ADHD)のある中学生と、定型発達の保育園児、乳幼児の3姉妹を育てています。これまでに経験した、出産・結婚・離婚・再婚・ステップファミリーなど、さまざまな体験をもとに、記事を執筆していきます。

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