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おっぱいトラブル③ 〜私だけじゃなかった!今思うトラブルの原因〜

りんごりんご

一難去ってまた一難

息子を産んでまだ100日も経たない頃、母乳授乳の後、乳房に激痛が走るようになった私。韓国の乳腺外科で「イースト感染(カンジダ感染)」と診断され、1週間に1度病院へ通ううちに、痛みは日増しに和らいでいきました。

しかし、もう一つ未解決のおっぱいトラブルがありました。それは、初期にできたまま治らずにいた乳首の白斑。いつしか痛みにも慣れてしまい、「これはもう、白斑と共に暮らすしかない」と腹をくくって母乳授乳を続けていたのですが、ある時から左の乳首にあった白斑が黄色くなり、血がにじむようになってしまったのです。

白斑から出血!授乳禁止に

乳房の痛みに加え、乳首から出血してしまった私に、乳腺外科の先生は「薬を飲んで母乳を止める方法もありますよ」と教えてくれましたが、もうこれ以上、余計な薬を服用するのが怖かった私は、「母乳授乳を続ける方向で様子をみたい」と告げました。

出血が完全に止まるまで「左胸の授乳禁止」を言い渡されたその日から、パンパンに張った左胸を3〜4時間置きに手で搾り、母乳を捨てる日々が始まりました。最初はうまく搾りきれず、母におっぱいマッサージを頼んで助けてもらったことも…。

しかし、調べる内に、搾れば搾るほど母乳がたくさん作られてしまうと知り、こういう時は「圧抜き」と言って、胸の張りを少しやわらげる程度に軽く搾る方が良いということを知りました。

突然襲ってくる乳房の激痛に耐えながら、左胸の母乳を1日に何度も捨てるのはなかなか辛く、当時は「こんな日がいつまで続くんだろう」と気が遠くなり、家族の前で泣いたこともありました。

自分と同じような経験をした人はいないだろうか?みんなおっぱいトラブルをどう乗り越えてきたんだろうか?毎日毎日おっぱいについて考え、ネットで情報を検索することにも疲れてしまった私は、出産経験のある友人たちに相談してみることにしました。

みんな母乳授乳に悩んでいた

みんなそれまで、一度も授乳の苦労について話してくれたことはありませんでしたが、尋ねてみると、誰もが何らかの授乳トラブルを経験していたということがわかりました。

例えば「長い間白斑に悩まされた」、「生後3か月までは母乳授乳がうまくいかなくて、毎日おっぱいのことで頭がいっぱいだった」、「母乳の出が悪くて、生後2か月くらいから完全ミルクになった」、「乳首が切れて授乳に悩み、相談できる人を探し回った」など。

私と全く同じ症状で悩んだという人を見つけることはできませんでしたが、おっぱいトラブル改善の助けになったという本を紹介してくれたり、「生後3か月を過ぎたくらいから少し楽になるから!」と励ましてくれたりする人もいて、「みんなも乗り越えてきた壁なのだから、私もきっと大丈夫」と、大いに勇気づけられたのでした。

結局、白斑は最後まで治ることはありませんでしたが、乳腺外科に通院して1か月経った頃には胸の激痛が治まり、その頃には息子も生後100日を迎え、母乳授乳がだいぶ楽になった気がしました。

その後はミルクの量を増やしながら混合授乳を続け、生後6か月で離乳食をスタート。ちょうどその頃、前歯が生えてきていたのですが、乳首を噛まれて血が出たことをきっかけに、完全ミルクに切り替えようと決心しました。

もうだいぶお乳の量が減っていたので、母乳授乳の回数を少しずつ減らしていき、「胸が張ったら圧抜きをする」という方法で、半年間にわたる涙なみだの母乳授乳を終了したのです。

今思う「おっぱいトラブル」が長引いてしまった原因

1. 出産直後、深夜の頻回授乳をしていなかった
私がお世話になった韓国の産院・産後調理院では、完全母乳育児を希望しない限り、母体回復のために深夜は睡眠をとることを勧めていました。初産だった私は「そういうもんなんだ」と思いこみ、言われるがまま就寝。深夜の母乳授乳や搾乳をしていなかったのです。今考えると、それが母乳の詰まりを引き起こす一番の原因だったように思います。

2. 乳頭保護クリームを塗った後、ラップで長時間保護していた
産後すぐの頃から白斑に悩み、ネットで検索して見つけた解決策をいろいろ試していたのですが、その中に「乳頭保護クリームを塗った後、ラップで覆うと良い」という情報があり、一日中実践していた時期がありました。

その後、授乳後の乳房に激痛が走る病気になってしまったわけですが、「湿った授乳パッドをそのままにしているとカンジダ感染症のリスクが高まる」という記事を目にし、もしかしてラップパックで長時間覆っていたのが逆効果だったのかもしれない、と思ったのでした。

3. 母乳育児について相談できる場所や人を見つけられていなかった
出産前は、母乳授乳がこんなに大変なものとは想像もしておらず、もしもの時に駈け込める場所や人の必要性について深く考えてもいませんでした。日本にいれば保健所や産婦人科の助産師さんたちに相談できたのかもしれませんが、韓国ではどこへ行けば適切な母乳授乳指導が受けられるのか?ほとんど情報がない状態で子どもを出産してしまったのです。

妊娠中、保健所の出産準備教室に通っていたことが幸いし、運よく近くにある母乳育児相談室を探し出すことができましたが、1回行けば8000円ほどかかってしまうため、なかなか頻繁に通うこともできませんでした。

最近ではネット環境さえ整っていれば、オンラインで助産師さんなどに母乳相談ができるサービスも増えてきているようなので、近くに頼れる場所や人がいない場合は、利用されると良いのではないかと思います。

さて、これまで3回にわたり、私が韓国で出産後に体験した「おっぱいトラブル」についてお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか?「母乳授乳には痛みと苦労がつきものなんだ」というイメージを抱いた人もいるかもしれませんが、これはあくまでもうまくいかなかった私の体験談で、大きなトラブルなく母乳授乳を行っているママたちもたくさんいます。

しかし、これから出産を控えているという方は、備えあれば憂いなしですから、もしおっぱいトラブルに悩まされてしまったらどうするか?頼れる場所や人を事前に探したり、出産経験者からいろんな話を聞いておいたり、事前に心の準備をしておくことを強くおすすめします。

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りんご

りんご

韓国

韓国在住、日韓ハーフ1歳児の母です。30代後半で国際結婚。新婚生活スタートと同時に子どもを授かり、異国の地で手探りの妊娠期間と高齢出産を経験しました。日本では紙媒体の編集記者の他、ファミリーサポートセンターでの勤務経験もあり。今地球のどこかで、ちょっぴり孤独も感じつつ子育てに奮闘中の方へ、私の体験・失敗談を通して「1人じゃないよ」とエールを届けられたら嬉しいです。