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出産後、言われて悲しかった祝いの言葉

りんごりんご

出産体験って本当に人それぞれで、妊婦さんの数だけストーリーがあります。産院に到着して数時間で出産したという人もいれば、何日もかかって大変な思いをして産んだという人もいますよね。

どちらが良くて、どちらが楽だったか?本当はそんなこと比べようもないはずですが、難産だったママたちは安産だったように見えるママたちに、こんな言葉を投げかけてしまうことがあります。

「うらやましいくらいの安産だね。おめでとう」

これは私自身、大好きだった年上の女性に言われてとてもショックを受けたひと言です。息子が生まれた数日後、昔私に出産報告をしてくれた友人知人にだけ「無事生まれました」とメッセージを送信したのですが、その時、年上ママから返ってきた言葉がこれでした。

「うらやましいくらいの」という言葉から、「私はあんなに大変だったのに、あなたはそんなに楽だったのね」という、ちょっと意地悪にも思える感情が伝わってきてしまい、産後のホルモンバランス総崩れの私は、ひどく落ち込んでしまいました。

彼女は高齢出産で第一子を産んだ時、「死ぬ思いをした」と常々話していたので、病院到着後、4時間半で子どもが生まれたという私の出産報告を聞いて、「楽で良かったじゃない」と思ったのかもしれません。確かに、出産までの時間だけを見るとスピーディーな安産に見えるでしょう。でも実際は、こんな困難を乗り越えての出産でした。

「なんで保護者がいないの?」と看護師さんに責められる

出産予定日まであと1週間というある日。夜中から腹痛が始まり、明け方に「おしるし」を確認。10分間隔で痛みが襲ってくるようになった頃、病院へ電話すると「すぐ来てください」とのことだったので、シャワーを浴び、夫の運転で昼前に病院へ到着しました。

病院ではすぐベッドに運ばれるのではなく、まずは受付へ。入院生活の説明、出産方法の選択、出産後の予防接種や検査について早口で説明を受け、次々と選択を迫られました。

中でも、「臍帯血の保管(有料)をした方がいい」と強く勧められたのには困惑しました。陣痛の最中にいろいろ説明されても、まったく頭に入ってこないし正常な判断ができません。結局、臍帯血の保管は断り、出産は「自然分娩」で「家族の立ち合い可能な部屋」を希望し、入院することになりました。

韓国では入院中に保護者が付き添うのは当たり前だそうで、看護師さんたちは最低限の医療行為しかしてくれません。しかし、夫は午後から出勤で、誰かに仕事を任せることもできない状況だったので、私はひとりで入院することになりました。

夫が行ってしまった後、立ち合い出産可能な部屋のベッドに寝かされ、「出産の時に保護者がいないなんて、韓国の女性ならあり得ないわよ」と看護師さんに怒られたり、驚かれたり…。急に不安になり、泣きたい気持ちになってしまいました。

勝手に打たれた陣痛促進剤に苦しむ

しかし、泣いている暇はありません。どんどん時間の間隔が狭まっていく陣痛は生理痛を何倍もひどくしたような痛みで、陣痛が身体を襲ってくると、ただひたすらその痛みが去るのを待つしかないのです。部屋にはたったひとり。水をくれる人も、励ましてくれる人もいません。

病院について2時間後。「付き添いがいないと陣痛の苦しさに長時間耐えられないだろう」と医師が判断したのか、私の同意なしに、点滴の中に陣痛促進剤促を入れられてしまいました。そのせいか、急にお腹がドクドクと暴れ太鼓のように動き始め、そのたびに痛みが押し寄せ、息もできなくなって酸素吸入器をつけることに。この時、子宮口の開きは4センチ。人工的に破水も行われました。

「このままどうなってしまうのだろう」と怖くなり、看護師さんにお願いして促進剤の注入を止めてもらった後、今度は気持ち悪くなり、何度も吐いてしまいました。痛みと吐き気に襲われるたびにナースコールを押すので、看護師さんたちはため息をつきながらも、哀れに思ったのか「私たちがついているから大丈夫ですよ」と励ましてくれるようになり、少し気持ちが安らいだのでした。

やっぱりわからなかった出産時の韓国語

病院について4時間後。子宮口が8センチほど開いたところで、いよいよ分娩準備が始まりました。助産師さんのような人が来て、子宮口をグリグリと手で開くように刺激。

「陣痛が来たらいきんで。叫んではだめよ」と言われるものの、太ももを自分で抱えたM字開脚の状態で、深く息を吸い、声を出さず下半身に力を入れていきむというのは、頭では理解できても、実際にやるのは難しい!しかも、体力が続きません。

看護師さんたちがいろいろ指示をしてくれるものの、混乱の中、その韓国語がちゃんと聞き取れない状態になってしまいました。自分が今やっている行為が正しいのか、間違っているのかもよくわからず…。「こうなったらもう、本能に任せて産むしかない!自分と息子の身体を信じよう。絶対無事に産める」と、そんなことばかり考えていたように思います。

いきむたび、股に何かが挟まっている感覚が生まれ、そこで担当医が登場。部分麻酔の注射(切開より痛い)と会陰切開の後、すぐに頭と身体が出てきて、息子が誕生しました。病院について4時間半後のことでした。

異国の地でたったひとり、初めてのお産をするというのは、経験してわかりましたがとても怖いです。母子共に無事だったから良かったものの、もし緊急事態になっていたらと考えると…。今でもあの時どうしていればベストだったのか、まだ答えがわからずにいます。

出産後のママには「おつかれさま」だけで十分

スピーディーな安産だったように見える私でも、さまざまな困難や葛藤を経験したように、妊婦さんの数だけ出産の思い出や苦労話があると思います。また、ひとつの命がこの世に誕生する時、どんなにするっと上手に生まれてきたとしても、母子共に命がけであることに変わりはありません。

だから、もし身近に出産した人がいたら、たとえ「おめでとう」と言えなくても、「おつかれさま」と言ってあげてください。自分の体験と比べてどうだと言うのではなく、ただただ、ひとつの命が誕生したことを素直に祝ってあげてほしいです。

最後に、冒頭の年上ママの話を韓国人の夫にしたところ、「軍隊の話と一緒だね。韓国の男たちは、軍隊で自分が一番辛い思いをしたかのように経験談を話すことがあるよ」と教えてくれました。

出産と軍隊。全く次元の違う事柄ですが、「肉体を酷使して乗り越えなければいけない」という点と、「人の数だけ困難を乗り越えた経験談がある」という点では、似ているかもしれませんね。

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りんご

りんご

韓国

韓国在住、日韓ハーフ1歳児の母です。30代後半で国際結婚。新婚生活スタートと同時に子どもを授かり、異国の地で手探りの妊娠期間と高齢出産を経験しました。日本では紙媒体の編集記者の他、ファミリーサポートセンターでの勤務経験もあり。今地球のどこかで、ちょっぴり孤独も感じつつ子育てに奮闘中の方へ、私の体験・失敗談を通して「1人じゃないよ」とエールを届けられたら嬉しいです。

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